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食卓で使用する「やきもの」の食器は、陶器、磁器、ガラス器に分けられます。
「陶磁器」などと呼ばれるように、陶器と磁器は混同しがちです。
実際、最近では中間的な材質のものも数多く出回っています。
例えば、 陶器と磁器、両方の良さを取り入れた半磁器、見た目は磁器のようで磁器ではないガラス器など多種多様になっています。
軽く叩いてみて比較的鈍い音がするのは陶器です。
陶器の割れ口は鋭くなく、断面が土色で吸水性があります。
磁器は叩くと高い金属音がします。
割れ口は鋭利で硬く、中まで白く、透光性があり、吸水性はほとんどありません。
今回はその磁器についてです。
磁器は長石(カオリン)と珪石が主成分の特殊な土で出来ています。
長石は高温で焼くと溶けてゲル状になり、焼いても溶けない珪石を取り巻くように溶け込んで固まります。
特にヨーロッパのブランドの洋食器が有名なことから、上絵付けした磁器は
西洋から来たと思われがちですが、そうではありません。
磁器のことを別名チャイナとも言うように、本家は中国です。
日本には1500年代後半に朝鮮経由で入ってきたそうです。
一説によると、慶長の役の際連れてこられた李参平という陶工が、1616年に佐賀県有田町の泉山で良質の白磁鉱を発見し、日本で最初の磁器を焼いたとされています。
1640年代には有田の酒井田柿右衛門が、それまで難しいとされていた赤色の発色に成功し、赤絵の技法を完成させました。
これらの製品は、佐賀県の伊万里港から、オランダなどヨーロッパに輸出され貴族らに珍重されました。
ヨーロッパ最初の磁器工場であるドイツのマイセンは、1725年に中国磁器と有田焼をモデルとして絵付け技術を完成させ、18世紀のヨーロッパ磁器をリードしたとされています。
磁器には、その原料となる長石(カオリン)が必要です。
中国の高嶺山で採掘される長石にかなり近い種類の良質の長石が、佐賀県の有田や愛知県の瀬戸などで産出されることから、今でもこのあたりが磁器生産の本場として栄えています。
ヨーロッパ大陸でもこの長石に近いものがアルプス等で産出され、マイセンや、ウェッジウッドなどの有名ブランドを育て上げてきたようです。
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