村上隆
むらかみ たかし

1962年(昭和37年)-現在
日本を代表する現代美術家、ポップアーティストの1人。特にオタクカルチャーから派生したフィギュアの制作も手がける。

アニメ好きでアニメーターを志すも挫折し、大学では日本画を学ぶ。卒業後は現代美術家として活動。

社会のタブーに触れた作品を多数制作し、根強い人気を得る。日本カルチャーが世界に広まった影響で、海外でも人気を博し、アメリカTIME誌の『2008年版世界で最も影響力のある100人』に、選ばれた。

ロサンゼルス現代美術館やベルサイユ宮殿で個展を開催。独特な世界観の作品に対し、各地で議論が沸き起こっているため、注目度も高いアーティストである。

生い立ち


村上隆が生まれたのは、1962年東京板橋区です。1980年に本郷高等学校を卒業し、卒業後はアニメーターを目指していました。幼少期よりアニメが好きで、特に宮崎駿作品を好んでいたといいます。
しかしアニメーターへの道は頓挫に終わり、2年間の浪人生活の末に東京芸術大学へ入学。美術学部日本画科で、日本画を学びます。
大学卒業後はそのまま東京芸術大学大学院へ進み、1988年に修士課程を修了。しかし日本画科への道は諦め、現代美術家として活動することを決めます。
1991年には個展を開催し、本格的に現代美術家の活動を開始。1993年に日本画科の博士号を取得し、博士後期課程を修了しました。
1998年からは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校美術建築学部へ客員教授として招かれます。2001年にロサンゼルスで開催した個展が話題となり、村上隆の名は全米に広がることとなりました。
同年、有限会社カイカイキキを設立。アーティストのマネジメントや制作企画、販売などの芸術事業を始めます。

海外で村上隆の日本カルチャーが注目を集めたのは、ニューヨークで開催された個展『リトルボーイ展』です。『リトルボーイ展』では、オタクカルチャーや日本の芸術家の作品が出品されました。

戦後日本がアメリカから受けた影響と、オタクカルチャーの関係性を示した考え方が注目され、2006年に最優秀テーマ展覧会賞を受賞します。さらに同年、芸術選奨文部科学大臣新人賞も受賞。一気に、村上隆の世界が知られることになりました。

また、個展『村上隆の五百羅漢図展』が評価され、2016年に第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。

アニメと村上隆


幼き日の村上隆は、生粋のアニメ好きだったといいます。一度はアニメーションの世界を志すも挫折し、結局は日本画科で博士号まで取得しています。

そんな村上隆の作品は、アニメや漫画などの日本のオタク文化を咀嚼し、現代美術へと置き換えていることが特徴です。アニメを愛し、アニメーターになろうとまで考えていた村上だからこそのアイデアといえます。

特に、藤子・F・不二雄作品を愛しました。ドラえもんとのコラボレーション作品では、オリジナルキャラクターのカイカイとキキを登場させています。
また、村上隆のオリジナルキャラクターDOB君は、ドラえもんやソニックからイメージして作られました。

まったく新しい世界を作り上げているように見える村上隆ですが、実は日本カルチャーを愛する一人のオタクであることも垣間みえます。

作品の特徴とその魅力


村上隆の作品は、一見ポップですが、本質は揶揄的だったり抽象画の要素を持っていたりするのが特徴です。日本のオタクカルチャーを体現し、世界的に高い評価を得ています。

特に有名な作品に、『フラワー』や『五百羅漢図』などがあります。中でも『フラワー』で描かれる顔のある花は、さまざまな作品にも登場する村上隆独自のモチーフです。

また、井上隆は多くのアニメ作品とコラボレーションしていることも特徴です。『あんなこといいな 出来たらいいな』はドラえもんとのコラボレーション、『パンダの家族』はパンダコパンダからインスピレーションを受けています。

他には、LOUIS VUITTONや六本木ヒルズなどともコラボレーションしたこともあります。

アニメと現代美術のコラボレーター村上隆


村上隆は、日本カルチャーであるアニメや漫画を現代美術として、変換した作品が魅力の現代美術家、ポップアーティストです。

元カリフォルニア大学ロサンゼルス校美術建築学部の客員教授であり、また若手アーティスト発掘に携わる有限会社カイカイキキの設立など、若手育成にも尽力しています。

村上隆の作品は、ポップで独創的な点が魅力です。彼オリジナルのキャラクターも生み出しており、特に有名なのがフラワーやDOB君。フラワーは顔のあるカラフルな花のキャラクターで、さまざまな作品に登場します。

日本のアニメを現代美術へと生まれ変わらせた村上隆の作品は、海外でも高い人気を誇ります。
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