趙叔孺
ちょう しゅくじゅ

プロフィール



  • .趙叔孺(ちょう しゅくじゅ)は、清末民初の篆刻家・書家・画家である。
  • 名は時棡(じ じゅん)、字は紉萇(じん ちょう)、叔孺は号で晩年は二弩老人(にど ろうじん)と称した。
  • 1874年に浙江省寧波府鄞県(現在の寧波市鄞州区)に生まれ、1945年に上海で没した。
  • 外祖父の家は古銅器の収蔵に富み、子どもの時より入り浸って研究し、やがて殷・周の銅器の銘文、秦・漢の古印に深い造詣を得た。

来歴



  • 書は趙孟頫(ちょう もうひょう)や趙之謙(ちょう しけん)に学び、篆書・隷書・楷書・草書のいずれも優れた。
  • 画は花鳥画を得意としたが、特に八駿(はっしゅん)という馬の絵は一頭につき黄金一笏(おうごん いっこく)と言われた。
  • 篆刻ははじめ浙派(せっぱ)に学び、中年以降は鄧石如(とう せきじょ)や趙之謙に師法し秦・漢印を範とした。
  • 当時、呉昌碩(ご しょうせき)と並び称され、名士がこぞって印を求めた。
  • 褚徳彝(しょ とくい)『金石学録続補』や葉為銘(よう いめい)『広印人伝』に賞賛された。
  • また古文字研究の分野でも著述を残した。

作品の特徴



    趙叔孺の作品は、秦・漢印の風格を受け継ぎながらも独自の創意を加えたものである。
  • 印章:形や質感が古雅でありながらも精巧であり、刀法は力強くて流麗である。
  • 印文:字体や配置が工夫されており、古典的な雅語や詩句を多用している。
  • 印譜:自らの印章や所蔵する名印を紹介しており、その解題や評価も含まれている。

代表作品



    趙叔孺の代表作品としては、以下のようなものが挙げられる。
  • 『柳下雙駿』(りゅうか そうしゅん):掛軸、紙本、111.6×51.5cm。二頭の馬を柳の下に描いた作品で、趙叔孺の馬画の傑作とされる。
  • 『行書七言聯』(ぎょうしょ しちげんれん):掛軸、紙本、131.2×21.1cm×2。趙叔孺自作の詩を行書で書いた作品で、その筆致は軽快で自然である。
  • 『二弩精舎印譜』(にど せいしゃ いんぷ):印譜、1941年。趙叔孺の晩年の作品で、自らの印章や所蔵する名印を紹介している。
  • 『二弩精舎蔵印』(にど せいしゃ ぞういん):印譜、1897年。趙叔孺の初期の作品で、自らの印章や所蔵する名印を紹介している。

まとめ

趙叔孺は、清末民初の篆刻家・書家・画家であり、秦・漢印に深い造詣を持っていた。 作品は、古典的な風格と独自の創意を兼ね備えており、当時の名士や後世の評価家から高く評価された。 代表作品には、馬画や行書などの画作や、自らの印章や所蔵する名印を紹介する印譜などがある。 >中国美術買取ページはこちら
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