中国美術白紬蓋付き水注 買取実績

買取品名
中国美術白紬蓋付き水注
買取エリア
宮城県気仙沼市
買取額

コメント
中国美術白紬蓋付き水注を買取させて頂きました。

白紬釉水注の概要


白紬釉(はくじゅもうゆう)水注は、中国宋~元~明代にかけて生産された白磁製の注器で、浅い壺形の胴部に蓋を合わせ、口縁に注ぎ口を付けた優雅なフォルムが特徴です。白紬釉とは、淡い灰白色でややビロードのような微細な“紬目”が見える半透明釉を指し、磁胎の素地と相まって柔らかな光沢を放ちます。



歴史的背景と用途


白紬釉水注は宋代の官窯・定窯・汝窯など高級白磁窯で始まり、官庁や貴族の礼器、茶席・薬壺として珍重されました。元末明初には民窯にも技法が伝播し、同様の白釉注器が日用品化。茶道具としては蓋付き水注として使用されるほか、漢方の煎じ薬や香炉用水注としても使われました。



素材・成形技法


素地には良質な高嶺土を原料とし、輪積み成形か型打ち成形で胴部を作ります。素焼後に白紬釉を厚めに掛け、1,300℃前後の高温で本焼成。釉厚による収縮と微細な亀裂(貫入)が生じて“紬目”を生みます。蓋は密閉性を高めるため、内側に小さな突起を付けて胴部の口縁に嵌合させます。



意匠とデザインバリエーション


基本形は壺形や瓶形ですが、肩張り型・細頸壺型・鼓形など多様です。肩部や胴に腰帯状のレリーフを付け、蓋摘みに小さな球状や花形をあしらう例もあります。全面に無地の潔さを残す白紬釉の魅力を生かし、装飾は最小限に留めるのが本式です。



真贋鑑定のポイント


真作判定では、釉裏の貫入パターンが自然であるか、釉層の厚みと薄みのムラ、素地の焼成肌の質感を観察します。底面の窯印や墨書・箱書による来歴も重要。後世の写し品は貫入が均一すぎ、釉面に人工的な刷毛跡が見られる場合があります。



市場価値と価格帯


宋・元代の官窯白紬釉水注は希少性から数百万円~数千万円に達します。明代や民窯の写し品は数十万~百万円前後が相場。状態良好、来歴書付、古箱付の逸品はさらに高値を呼ぶことがあります。



保存・取り扱いの注意点


磁器は衝撃に弱いため、取り扱いは慎重に。洗浄は中性洗剤を薄めた温湯で手洗いし、乾燥は自然乾燥が基本です。貫入部に汚れが入り込まないよう、展示時はUVカットガラス越しの間接光環境が望まれます。



鑑賞・展示の演出


白紬釉の微細な紬目と柔らかな釉調を引き立てるため、単色の台座や和紙背景の上に配置すると効果的です。斜め上から当てるスポットライトで釉の光沢が浮かび上がり、蓋のフォルムと釉色の対比を楽しめます。



まとめ


中国美術の白紬釉蓋付き水注は、高温焼成技術と白磁美が結実した官窯の代表作です。素材・技法・文様・鉱物学的釉調・来歴を総合的に鑑定し、適切な手入れと展示管理を行うことで、その歴史的・美術的価値を末永く伝承できます。



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