熊谷守一 木版画 彼岸花 買取実績

買取品名
熊谷守一 木版画 彼岸花
買取エリア
山梨県山梨市
買取額

コメント
熊谷守一 木版画 彼岸花を買取させて頂きました。

作品「彼岸花」の概要


熊谷守一(くまがい もりかず、1880–1977)が手がけた木版画「彼岸花」は、鮮烈な赤い彼岸花(曼珠沙華)をシンプルかつ大胆な構図で捉えた代表作です。彼岸花の群生する様子を切り取ることで、花言葉に象徴される「再生」や「情熱」を静謐な画面に封じ込めています。



熊谷守一の作家背景


熊谷守一は写生を重んじ、動植物をモチーフにした作品で知られる近代日本画家です。晩年には余計な装飾を排した極簡素の画風に到達し、版画にもその思想を持ち込みました。「彼岸花」には、木版の特性を活かすための余白の美学と、写実を超えた詩情が融合しています。



木版画技法と表現特色


版木は欅(けやき)など硬質の木材を用い、彫師が線と面を巧みに彫り分けます。熊谷自身が線稿を起こし、色摺りは赤・黒・灰の3色程度に抑制。特に彼岸花の花弁や茎の太いラインは刷毛目の質感を残し、背景の余白が花姿を際立たせています。



制作年と版元・刷り部数


本作は大正末期から昭和初期にかけて制作されたとされ、版元は当時の芸術版画を手がけた〇〇版画社。限定部数は50~100部程度の少部数で、作者自ら校合し、サインと共に版画師の落款印が押されています。



真贋鑑定のポイント


真作鑑定では、紙質(雁皮紙や越前和紙の粒状性)、刷りのにじみ具合、紙裏の刷毛跡、熊谷守一の肉筆サインの筆跡、版元印の墨色深度を確認します。後刷りやリトグラフの模倣品は刷毛跡が均一で、サインが機械的プリントになることが多い点に注意が必要です。



保存状態と経年変化


木版画は直射日光に弱く、和紙は黄変やシミ、虫害が生じやすい性質があります。額装時はUVカットガラスを用い、温度20℃前後・湿度50%前後の環境で管理。裏打ちやマットの酸性化による斑点(Foxing)を避けるため、定期的な保存環境の点検が望まれます。



市場価値と取引相場


熊谷守一の木版画は希少性と作品の完成度から高い評価を受けます。「彼岸花」の良品は状態・版数・来歴によって30万~100万円前後が相場。署名・版元印・初版紙で保存状態の良いものはプレミア価格で取引されるケースもあります。



コレクションとしての魅力


「彼岸花」は熊谷の極簡素主義の神髄を示す傑作で、写生と抽象が同居する版画ファン必携の一枚。四季の花鳥画シリーズや他の木版作品と並べることで、熊谷芸術の流れを俯瞰的に楽しむことができます。



展示・鑑賞のポイント


通常は床の間やギャラリーの壁面に掛軸風に額装し、照明は間接光で柔らかく当てると、紙の凹凸と版画の凹版凹坑が織りなす陰影を美しく際立たせます。余白の趣を損なわない華奢なマットと細木枠の額縁が演出に適しています。



まとめ


熊谷守一「彼岸花」は、写生の真摯さと木版画の技法美が融合した希少な骨董作品です。紙質・刷り・サイン・版元印・保存状態を総合的に鑑定し、適切な環境で保存・展示することで、その芸術的価値と歴史的意義を後世へ継承できます。



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