焼経 買取実績

買取品名
焼経
買取エリア
神奈川県相模原市
買取額

コメント
焼経を買取させて頂きました。

焼経(しょうきょう)とは


焼経は、写経・版経した仏教経典(経巻)を供養のために焚き上げる儀式・行法です。仏教では、経典に宿る功徳が冥界や水子往生、先祖供養、災厄消除などに通じるとされ、平安時代以来、寺院・信徒の間で広く行われてきました。経巻をひと綴りにした「経筒」や「経函」に納め、専用の香炉や焼経炉で焚きます。



古経典(版経・写経)の骨董的価値


焼経に使われる経典には、平安期の写経、鎌倉・室町期の木版本、江戸期の刷版経などがあります。特に平安写経は料紙や装飾料紙(切り紙・截金)・墨書の筆跡に個性が光り、書相・偈文の書風から書写年代と写師を特定できれば、国の重要文化財級の価値があります。木版本は版木の版刻精緻度、摺りの色味・紙質が鑑賞ポイントで、良質な鳥の子紙に摺られた初摺本は100万円以上の評価も珍しくありません。



焼経道具の種類と意匠


焼経炉には、銅製・鉄製の「経板炉」、陶製の「経筒焼炉」、青銅製の「香炉型炉」などがあります。炉身には蓮華文や唐草文、龍・獅子・宝珠文など吉祥文様が彫金や鋳出しで施され、炉縁や蓋摘みの形状から制作時代・窯場・鋳物師を推定できます。蓋付き経筒(経桶)は紫檀・檜木製で、内側に墨書の願文や納経者名が残ると来歴証明として価値を高めます。



真贋鑑定のポイント


経典の真偽は、料紙の漉き跡、虫損・ヤケの自然度、墨の定着具合をチェック。木版本では、版木の摩耗による摺りムラ、刷毛跡、紙裏の刷毛圧痕が本物の証です。焼経炉は、鋳しわや鋳巣(いがあな)、鋳型継ぎ目の有無、鍍金層の剥落パターンで制作時期を判定。後補や模造品は均一すぎる仕上げや金色塗装の剥落パターンから判別できます。



市場価値と価格相場


平安写経一帖(装飾料紙付)は数百万円~数千万円、室町期木版本『法華経』全8巻は数百万円、江戸期刷版経一巻は数十万~百万円前後が相場。焼経炉は青銅製蓋付き大型炉が百万円以上、鉄製経板炉は数十万~百万円程度。経筒や経函は材質と印籠蒔絵・截金装飾の有無で十万~数十万円で取引されます。



保存・取り扱いの注意点


経典は酸性紙劣化・虫損を防ぐため、温度20℃前後・湿度50%前後の環境で保存。和紙専用保存箱に収め、虫干しと点検を定期的に行います。焼経炉は鋳銅や鉄地の緑青・錆を防ぐため乾燥環境で管理し、表面の埃は柔らかな筆で払う程度に留めます。金彩や蒔絵のある経筒は、湿度変化を避け、裂地仕覆を併用して保管します。



コレクションとしての魅力


焼経関連資料・道具は、仏教儀礼の形態と美術工芸技術の歴史を同時に学べる稀少なジャンルです。経典の書法・装飾、鋳造・彫金技法、截金・蒔絵など多彩な工芸が一体化しており、経巻と炉具をセットで蒐集すると、その来歴と使用痕から儀礼空間の息づかいを感じられます。



まとめ


焼経は祈りと供養の行法であり、用いられる写経・版経・焼経炉・経筒はそのまま工芸美術品です。経典の紙質・墨色・筆跡、炉具の鋳肌・金具装飾、来歴証明を総合的に鑑定し、適切な保存管理を行うことで、その宗教的・美術的価値を次世代へと継承できます。



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