エルメスのグラス 買取実績

エルメスグラスの概要

エルメス（Hermès）は1837年創業のフランスの高級メゾンであり、バッグやスカーフだけでなくガラスウェアにも卓越した美意識と品質を注いでいます。エルメスのグラスは、テーブルウェアとしての実用性はもちろん、ガラス工芸の粋を集めた工芸品・コレクターズアイテムとしても人気を誇ります。

ブランドの歴史とガラス製品の展開

エルメスは創業当初は馬具工房でしたが、20世紀に皮革製品を中心に成長。1980年代以降、クリスタルメーカー・ラリックとのコラボレーションを経て、自社のガラスコレクションを発表。2000年代に入るとイタリアの老舗工房と提携し、吹きガラスやカット技法によるシリーズを次々に発表しています。

デザインと意匠の特色

エルメスグラスのデザインは、ブランドのアイコンであるケリーやバーキンの刻印をイメージしたリム装飾、モノグラム「H」や馬車（カーリエール）モチーフのカットなどが特徴です。シリーズによっては、スカーフの柄をガラス面に艶消しで転写したり、色ガラスを組み合わせたりするなど、エルメスらしい遊び心を感じさせます。

素材・製法と高級感の演出

素材には高品位の無鉛クリスタルガラスを使用し、透明度と耐久性を両立。吹きガラス、プレスガラス、手作業のカット・彫刻技法を組み合わせることで、一点ごとに異なる表情を生み出します。リムの薄さやグラスの厚み、内側のカーブラインまで計算されたフォルムは、触れた際の手触りと口当たりの上質さを保証します。

シリーズ例とコレクション性

代表的なシリーズには「カレイドスコープ」「エクリュ・ドゥ・メゾン」「ガーデンパーティ」などがあり、ワイングラス、タンブラー、デザートグラス、シャンパングラスなど多彩。異なるシリーズを揃えてテーブルを演出することで、ブランドの世界観を日常に取り入れる楽しみがあります。

真贋鑑定のポイント

真作鑑定では、底部のロゴ刻印や刻字（Hermès Paris）の有無、クリスタルの透明度、カット面のエッジのシャープさを確認します。印刷転写による模倣品は、ロゴが薄くかすれたり、ガラス面に気泡が多かったりする場合があり要注意です。

市場価値と価格帯

新品価格はシリーズやサイズによりタンブラー1脚数万円〜シャンパングラス1脚5〜10万円程度です。廃盤モデルや限定品、ヴィンテージものは中古市場で人気が高く、程度良好なセット品は10万円〜50万円以上の高値で取引されることもあります。

コレクションとしての魅力

エルメスグラスは、日常使いとコレクションの両面で魅力を発揮します。使うたびに手に馴染む繊細な形状と、光を受けて揺れるクリスタルの煌めきは、食卓に優雅さをプラス。シリーズを揃えてディスプレイすれば、リビングやダイニングのインテリアを格調高く彩ります。

保存・取り扱いの注意点

無鉛クリスタルはエッジが鋭く、強い衝撃で欠けやすいため、洗浄時は柔らかなスポンジを使用し、重ね置きは厳禁です。食器洗浄機は避け、手洗い後は柔らかい布で優しく拭き、水気を完全に取ってから保管してください。直射日光を避け、ケースや専用ボックスでの収納が望ましいです。

まとめ

エルメスのグラスは、ガラス工芸とブランドの世界観が融合した高級工芸品です。デザイン・素材・技法・刻印を総合的に鑑定し、丁寧に扱うことで、その価値と美しさを長く楽しむことができます。骨董品としても現行品としても魅力溢れる逸品です。