人形 山川永徳齋 鍾馗(しょうき) 買取実績

買取品名
人形 山川永徳齋 鍾馗(しょうき)
買取エリア
群馬県高崎市
買取額

コメント
人形 山川永徳齋 鍾馗(しょうき)を買取させて頂きました。

山川永徳齋と鍾馗人形の概要


山川永徳齋(やまかわ えいとくさい)は、江戸末期から明治期にかけて活躍した京阪の人形師で、木彫・桐塑・胡粉仕上げを駆使した美術人形で名を馳せました。鍾馗(しょうき)人形は、疫病退散・魔除けを願う神格・鍾馗の姿を精緻に模したもので、安土桃山以来の民間信仰に由来する伝統人形の一種です。



制作背景と伝承


鍾馗は中国唐代の文人・武官で、死後も厄除け神として尊ばれました。永徳齋は京阪の祇園祭や節句市で鍾馗人形を展開し、牛王会・祇園社の疫病除去儀礼に供する人形を多く制作。風習と舞台芸能の狭間で鍾馗像の造形美を追求しました。



素材と技法


頭部・手足は桐塑地に胡粉を下塗りし、漆や彩色を重ねる「桐塑彩色」技法を採用。胴体は木製芯に布張り補強し、表情の細かな皺や筋肉を彫刻刀で表します。衣裳は正絹裂地に金箔箔押しや摺箔を施し、鉢巻や甲冑などの金工飾りは真鍮粉と墨で質感を再現します。



造形の特徴


永徳齋作鍾馗人形は、眉間に怒気を宿す凛々しい表情、歯を食いしばる厳めしい口元が最大の魅力。立ち姿は右手に剣、左手に虎皮を持ち、躍動感ある足元と衣裳の裾捌きで鍾馗の威厳を表現します。顔料の濃淡や金泥の煌めきが、夜祭や床飾りで照明を受けて映えます。



鑑定ポイントと真贋


真作は、桐塑地の胡粉下地層に均一なひび割れ(桐塑貫入)が見られ、彩色層も経年微細クラックが自然に入ります。衣裳の裂地は幕末~明治期の京織物特有の緯糸・経糸の細さと色褪せ具合が鑑別要素。箱書き「山川永徳齋作 鍾馗」や添付の購入伝票・制作年記入札が真贋を裏付けます。



保存・取り扱いの注意点


桐塑像は湿度変化に弱く、過度な乾燥で微細に欠けや割れが生じやすい性質があります。展示・保管は温度20℃前後・湿度50%前後の安定環境が理想。直射日光を避け、埃は柔らかな馬毛筆で優しく払います。裂地には防虫剤を用い、金泥部分は研磨剤を避けて布で拭く程度に留めます。



市場価値と価格帯


永徳齋作鍾馗人形は希少性と完成度から評価が高く、保存状態良好な一躯で50万円~200万円の価格帯が一般的。彩色・衣裳・箱書きの完全性が揃うものは高額取引例もあり、近年の伝統工芸再評価の流れで骨董市・オークションで注目されています。



コレクション性と魅力


鍾馗人形は魔除け・健康祈願の縁起物としての役割とともに、精緻な木彫工芸品としても鑑賞価値が高い逸品です。床の間や玄関飾りとして、また舞台芸能や祭礼の再現展示にも活用され、明治期の職人工芸と信仰文化を伝える貴重なコレクターズアイテムです。



まとめ


山川永徳齋の鍾馗人形は、桐塑彩色・金工装飾・裂地仕立ての技術が融合した明治期木彫工芸の代表作です。素材・技法・箱書き・来歴を総合的に鑑定し、適切な保存管理を行うことで、その宗教的・美術的価値を後世へ継承できます。



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