平棗(近左)・淡々斎(その他 茶碗,茶釜,水指,香合等) 買取実績

買取品名
平棗(近左)・淡々斎(その他 茶碗,茶釜,水指,香合等)
買取エリア
兵庫県三木市
買取額

コメント
川端近左の平棗を買取り致しました。
裏千家十四世淡々斎書付があり未使用品です。
その他茶碗、香合、茶釜、水指等お稽古用の茶道具とあわせて
35万円の買取りとなりました。

平棗(近左)の概要


平棗は薄茶用の棗(なつめ)器の一種で、滑らかな円筒形かつ浅めのフォルムが特徴です。近左(こんさ/近岡弥左衛門家)は江戸後期から続く京焼・漆芸の名家で、平棗に上質な漆塗りと蒔絵を施した作品を多く残しています。近左の平棗は、茶席の簡潔さと品格を両立させる意匠として愛用され、骨董品市場でも高く評価されます。



平棗近左作の技法と意匠


近左の平棗は、木地を轆轤挽きで精緻に整えたあと、何度もの下地漆塗りと研ぎ出しを重ね、本堅地に仕上げます。上から金銀粉による平蒔絵や研出蒔絵で草花文、竹雀文、流水文などを描き、余白を生かした“間”の美を表現。縁や蓋つまみは漆研ぎで木目を透かした「木地溜」や漆黒に錆朱を効かせた「錆漆」など、多彩な仕上げがあります。



来歴証明と共箱の重要性


近左平棗の真作には、共箱外蓋裏に書かれる家伝の箱書きが重要です。「平棗 近左作」や銘のほか、仕覆紋様と落款印が添えられた完全品は骨董価値が格段に高まります。書付の筆跡や箱の桐材風合い、内張り和紙の質感から保存状態と来歴を判断できます。



鑑定ポイントと真贋判定


真作は、漆面の艶と厚み、研ぎ出し跡の滑らかさ、蒔絵金銀粉の微細な粒子感に自然な経年変化が見られます。金彩部分の痩せや錆漆の割れ具合、内側の木地露出部に伝統的な漆かぶれがないかも確認します。箱書きが後補書きでないか、墨色と裏打ち状態も合わせてチェックが必要です。



淡々斎の茶道具概説


淡々斎(たんたんさい、表千家第十五代家元)は、茶道具の選定から茶席の設えに至るまで卓越した美意識を持ち、多くの名品と呼ばれる茶碗、茶釜、水指、香合などを愛用品として遺しました。淡々斎の好みが示された品は「淡々斎好」として流通し、骨董としての評価も高いものです。



淡々斎好茶碗の特徴


淡々斎は、楽茶碗(黒・赤)、古萩、井戸、唐津など素朴な風合いを好みました。特に黒楽茶碗は口当たりが薄く、手の内にしっくり馴染む形状が選ばれ、茶碗底の高台詰まりや窯変の景色を鑑賞ポイントとしました。箱書きには「淡々斎宗匠御箱書」としるされることが多く、来歴証明として重視されます。



淡々斎好茶釜の魅力


茶釜は、肩衝釜・胴張釜・丸釜など形状に応じた銘が与えられ、淡々斎は歴代名釜師の作を愛用。鉄肌の荒れや薬掛けの滲み具合、蓋裏の墨書銘と印章が鑑定の要。茶釜は湯の沸き上がり音や湯落ちの景色も重要で、骨董品評価の一要素となります。



淡々斎好水指の選び方


水指は宋胡麻、唐物、楽焼、青磁など多様な品が揃い、淡々斎は四季折々の裂地仕覆にもこだわりました。特に青磁水指は蓋摘みに施された金銀象嵌や釉調の氷裂文が評価され、共箱裏の家元箱書きが添えられているかが真贋判定のポイントです。



淡々斎好香合の鑑賞ポイント


香合は細密な模様を持つ薩摩、乾山写し、唐津象嵌などを好み、蓋裏に宗匠印を押印されたものもあります。小さい器ながらも蒔絵・彫金・七宝などの高度な技法が凝縮され、胴部の金彩剥落具合や高台内の銘文が保存状態を示します。



まとめと骨董的価値


平棗近左作と淡々斎好の茶道具群は、漆芸・陶磁・金工の技術史を辿る上で欠かせない名品です。箱書きや書付の真偽、経年変化の自然さ、来歴記録の有無を総合的に鑑定することで、骨董品としての価値を見極めることができます。茶席に用いる実用美と、時代を超えて受け継がれる芸術性が両立した逸品群として、次世代へ伝えるべき文化財です。



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