表千家茶道具一式 買取実績

買取品名
表千家茶道具一式
買取エリア
和歌山県橋本市
買取額

コメント
たくさんお持ちの茶道具の中から表千家茶道具一式を買取させて頂きました。






表千家茶道具一式の骨董的価値



概要


表千家(おもてせんけ)は千利休の孫・千宗旦を祖とする三千家の一つで、その茶道具一式は茶席の格式と流儀を象徴します。骨董品として評価される表千家の茶道具一式とは、茶碗、茶杓、茶入(茶壺)、建水、茶筅、茶筅筒、蓋置、風炉・釜・釜敷、香合、花入、薄器、菓子器などを揃えたセットで、それぞれに制作年代や銘、共箱が付属するものが高く評価されます。



歴史的背景


表千家は江戸初期、千宗旦の子・千宗左が創始し、以来代々「宗左」を名乗って家業を継承。江戸後期には茶道具の好みが確立し、初代から十代にわたる家元の意匠嗜好が各道具に反映されました。特に千宗左家伝来の道具は、茶会記録や古図録にも多く登場し、由緒ある品として評価されてきました。



茶道具一式の構成


一般的な表千家道具一式には以下が含まれます:



  • 茶碗:御本手(おほんで)、黄瀬戸、井戸など家元好みの銘窯品

  • 茶杓:透木・杉竹製、箱書きに家元蔵書の筆跡

  • 茶入(茶壺):唐物肩衝、肩衝写、仕服の裂地・紐の織り

  • 建水:青磁、唐津、萩などの盆建水

  • 茶筅・茶筅筒:宗左好みの竹元、箱書き

  • 蓋置:平安象嵌、菊蒔絵、御室焼など

  • 風炉・釜:銅風炉・真形釜、釜敷の仕覆や釜鐶

  • 香合:香道用、蒔絵・螺鈿など高級作家物

  • 薄器:象牙・貝製、蒔絵薄器

  • 花入:竹花入、唐物肩衣花入など

  • 菓子器:仁清写・乾山写の菓子器



制作技法と銘跡


骨董品として重視されるのは、茶碗などの陶磁器には窯印や銘「宗左好み」の刻印、茶杓や茶入には家元の箱書きや紐通しの仕服裂の質感、竹工芸や蒔絵薄器には作者印が残るかどうか。特に茶入の仕服は、正絹の古裂が価値を加え、風炉・釜には鋳工名や鉄師の刻印が真贋の鍵となります。



骨董的評価ポイント



  • 来歴と共箱:家元書付の共箱、茶会記録や伝来文書の有無

  • 銘跡の鮮明さ:箱書き、落款、刻印の保存状態

  • 制作年代の確定:道具様式・装飾意匠からの推定

  • 保存状態:ヒビ・カケ、仕服の虫損、蒔絵の剥落、金彩の摩耗

  • 希少性:流派限定図柄、家元指定作家の作例かどうか

  • 美術的完成度:茶碗の釉調、茶杓の木肌、茶入の形状バランス



市場価格の目安


表千家家元伝来の茶碗単体でも数十万~数百万円、道具一式揃いで千万円を超える例も珍しくありません。茶入や茶杓など作者箱書付品は100万~300万円、蒔絵薄器や香合などが数十万~100万円台。保存極上の共箱完備品は相場の1.5倍以上となることがあります。



保存と取り扱い


茶道具は長期使用が前提のため、使用後は柔らかな布で乾拭きし、陶磁器は急激な温度変化を避けます。仕服は湿度調整された和室に保管し、竹工芸は乾燥による割れ防止のため適度な湿度下で保管。蒔絵や金銀象嵌は直射日光を避け、箱に収めて経年劣化を抑制します。



まとめ


表千家茶道具一式は、家元家伝来の来歴、箱書き・銘跡、制作技法、保存状態、希少性の五要素が揃うことで骨董的価値が最大化します。単に機能道具であるだけでなく、美術工芸品としての側面を併せ持ち、茶道文化を象徴する逸品として今後も高い評価と需要を維持し続けることでしょう。






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