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茶道具一式とは、茶碗・茶杓・茶筅・建水・水指・風炉・釜・蓋置・棗・茶入れ・仕覆・茶巾・茶巾筒など、茶の湯の一連の所作に必要な道具をすべて揃えた組物です。これらは道具組としての調和や格式が重視され、個々の器種の骨董的価値に加え、組合せとしての歴史的来歴や一貫性が総合評価されます。
茶碗は高麗・萩・宋・古伊万里など産地や時代により様式が異なり、釉調や貫入、産地窯印が骨董的価値を決定。棗は平棗・溜塗・朱溜塗など表面の漆芸技法と蒔絵文様、作者銘が評価ポイント。茶入れは唐物写しや胤舜など中国・日本の陶工によるものがあり、形と紐通し環の有無、仕覆の裂地が重要です。
名工作や人間国宝作の一式揃いは千万円級も珍しくなく、流派共箱付きの旧家伝来品は数百万円から。一部無銘かつ使用感ある道具組は50万~200万円程度が相場です。各個別の名器単品価格を合算し、組合せの価値と来歴でプレミアムが加算されます。
茶道具は温湿度変化と直射日光に敏感のため、室温20℃前後・湿度50~60%を維持。陶磁器は手洗い・乾燥後に仕舞い、漆器は乾拭き・定期的な漆膜点検、金工は柔らかな布で埃を払い、錆止め油を薄く塗布して保管してください。
茶道具一式は、作家銘・素材技法・意匠・保存状態・来歴資料・組合せの六要素が揃うことで骨董的価値を最大化します。道具組としての調和と歴史的脈絡を備えた逸品は、茶道具愛好家や骨董コレクターから高い評価を受け続けることでしょう。
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