中国工芸品象牙 他 買取実績

買取品名
中国工芸品象牙 他
買取エリア
高知県室戸市
買取額

コメント
中国工芸品象牙 他を買い取らせて頂きました。

中国工芸品(象牙ほか)の概要


中国の象牙工芸品は、細密彫刻による人物・山水・花鳥・故事人物・吉祥文などの題材を象牙塊に彫り出した彫刻群で、扇骨・筆架・置物、牙彫(きょうちょう)や牙彫屏風など多様な形態があります。象牙の細やかな肌理と白〜クリーム色の光沢は、緻密な線彫を際立たせ、卓越した高度な彫刻技術を前提に生まれる美術工芸品です。



歴史的背景と文化的位置づけ


象牙彫刻は中国で長い伝統をもち、明・清代に技巧が完成し、宮廷や富裕層の調度として重用されました。清朝期には宮廷工房での大量注文や、庶民向けの小物も発展し、近代には輸出工芸として欧米へも流通しました。



素材と技法


素材は象牙(アフリカ象・アジア象)が中心で、象牙の年輪状の木理は彫り込みに適します。制作技法は切削・透かし彫り・寄木的接合の組立、象嵌などを用い、細部は鋭い鋸や小刀、ドリルで彫り分けられます。連続する透かし彫りや層彫りは高い計画性と熟練を必要とします。



題材と意匠


題材は古典文学や仏教・道教の人物、寿・福・禄・喜の吉祥図、山水景や楼閣、細密な花実図など多彩。多層に重ねた景や細密な人物表現は、作り手の教養と技術を示します。扇骨や筆置きなどは用途美と鑑賞性が同居します。



真贋鑑定のポイント


真贋では材質判定が最重要です。象牙は断面の年輪(Schreger線)が独特で、樹脂や合成材、骨(牛骨)とは異なる曲線パターンを示します。彫刻面の刀痕・透かしの仕上げ、接合部の接着痕、経年の飴色化や亀裂、旧い煤や埃の堆積が自然であるかを確認します。近年の複製はレーザー切削や樹脂複合が増えるため、拡大観察や比重・赤外検査が有効です。



法的・倫理的留意点


象牙は国際取引が厳しく規制されている資源です(ワシントン条約等)。多くの国で新規の象牙売買は禁止されており、骨董市場で扱う場合は「合法的に取得された骨董品」であることを示す来歴(購入証明・輸出許可・CITES書類)や製作年の裏付けが必要です。新規取得や輸出入を検討する際は必ず現行法を確認し、違法取引には関与しないでください。



市場価値と評価要素


価値は時代(清・民国等)、技術の高度さ、保存状態、来歴・箱書の有無に左右されます。古作で保存良好かつ来歴が明確な大作は高値が付く一方、来歴不明や近年作は市場での評価が下がります。法規制の影響で流通が限られる点も価格に影響します。



保存と取扱いの注意点


象牙は乾燥や直射日光で割れや反りが生じやすく、保管は湿度45–60%、温度20℃前後が望ましい。湿度変化を避け、柔らかな布で埃を取り、化学薬品や過度の磨きは避けてください。保存情報(来歴書、CITES等)は作品と一緒に保管すること。



代替素材と安全な収集方針


近年は法規制と倫理配慮から、象牙ではなく根白木・牛骨(既製品の規制確認必要)・古材や象牙の代替であるコクタン・タグアナッツ(ビーガン象牙)・合成象牙(法的に許されるもの)を用いるコレクションが増えています。入手や売却の際は来歴確認と法的適合性の確認を最優先してください。



まとめ


中国の象牙工芸品は技術・意匠・歴史性において高い芸術価値を持ちますが、現代では法的・倫理的配慮が不可欠です。鑑定は材質・彫技・来歴を総合して行い、売買や輸出入は現行法と書類の整備を遵守すること。合法的かつ倫理的な管理の下でこそ、文化財としての価値が保全されます。




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