染付茶入れ、牙蓋、仕覆 買取実績

1. 染付茶入れ、牙蓋、仕覆とは

（1）染付茶入れの定義

染付（そめつけ）茶入れは、白磁の表面に青色の絵付けを施した陶磁器の茶入れです。中国・明時代に発展し、日本の茶道において重要な役割を果たしてきました。藍色の繊細な文様が特徴で、茶道具としての実用性と美術的価値を兼ね備えています。

（2）牙蓋の意味

牙蓋（げばち）とは、象牙や動物の角を用いた茶入れの蓋を指します。滑らかで光沢のある質感が特徴で、高級茶器に用いられることが多く、茶入れ全体の格式を高める役割を果たします。

（3）仕覆の重要性

仕覆（しふく）は、茶入れを保護し、美しく装飾するための布製の袋です。絹や金襴（きんらん）などの高級生地で作られ、茶会の際に茶入れを包み、格式を演出する要素として重視されます。

2. 染付茶入れ、牙蓋、仕覆の特徴

（1）造形と意匠

• 染付茶入れには、中国の明・清時代の影響を受けた唐草文や祥瑞文が描かれる。


• 牙蓋は、滑らかで上品な質感を持ち、蓋の収まりが良いものが高評価される。


• 仕覆の生地や柄は、茶入れとの調和が重視され、織りや刺繍の技術が反映される。

（2）用途と美術的価値

茶入れは、抹茶を保存するための器として使われるが、単なる実用品ではなく、茶道における美意識の象徴でもある。牙蓋や仕覆と組み合わせることで、さらに格式の高い茶道具としての価値が生まれる。

3. 茶入れの製作技法

（1）磁器の成形と焼成

茶入れは、白磁の素地に藍色の顔料で絵付けを施した後、高温焼成することで鮮やかな発色を実現する。

（2）牙蓋の加工

牙蓋は、象牙や角を加工し、茶入れの口にぴったり合うように精密に仕上げられる。天然素材の美しさが際立つ。

4. 骨董市場での価値

（1）制作年代による評価

室町時代や江戸時代の染付茶入れは特に価値が高く、保存状態によっては高額で取引される。

（2）作家や窯の影響

景徳鎮や有田焼の名工による作品は、特に評価が高い。

（3）保存状態

欠けやひび割れのないものほど価値が高く、牙蓋や仕覆が完備されている場合はさらに評価が上がる。

5. 現代における評価

（1）文化財としての需要

美術館や茶道の研究機関で展示・研究されることが多い。

（2）美術品・コレクター需要

国内外のコレクターに人気があり、特に江戸時代の作品は高額で取引されることがある。