能面　黒髭能面 買取実績

1. 黒髭能面とは

（1）能面の定義

能面（のうめん）は、日本の伝統芸能「能」において使用される仮面であり、登場人物の性格や年齢、役柄を表現する重要な要素です。黒髭能面は、その名の通り黒い髭を特徴とし、老武士や鬼神などの威厳のある役柄に用いられます。

（2）能面の歴史

• 鎌倉時代（12世紀～14世紀） - 初期の能面が作られ、仏教や神道の影響を受ける。


• 室町時代（14世紀～16世紀） - 世阿弥によって能が発展し、能面の種類が増える。


• 江戸時代（17世紀～19世紀） - 能が大名や武士の間で広まり、装飾性の高い能面が作られる。


• 現代 - 伝統芸能としての価値が再認識され、能面師による制作が続けられる。

2. 黒髭能面の特徴

（1）造形と表現

• 黒い髭が特徴で、威厳のある表情を持つ。


• 眉間にしわが寄った力強い顔立ち。


• 目の部分が深く彫られ、影が生じることで迫力を増す。

（2）使用される演目

黒髭能面は、主に鬼や怨霊、神々を表すために使用され、『羅生門』『雷電』などの能演目に登場する。

3. 能面の製作技法

（1）木彫り技法

能面は、檜（ひのき）などの軽量で加工しやすい木材を使用し、面打ち（おもてうち）と呼ばれる技法で彫刻される。

（2）彩色と仕上げ

漆を塗り重ねた後、胡粉（ごふん）で表情を整え、墨や彩色で細部を仕上げる。黒髭能面は、特に髭部分の表現が精密に施される。

4. 骨董市場での価値

（1）製作年代による評価

室町時代や江戸時代に作られた能面は特に価値が高く、美術館級の品として扱われることが多い。

（2）作家や流派の影響

名工による作品や特定の流派（法眼流、面打師流など）の能面は市場価値が高い。

（3）保存状態

彩色の剥がれや木材のひび割れが少ないものが高額で取引される。共箱や鑑定書が付属しているとさらに評価が上がる。

5. 現代における評価

（1）文化財としての需要

能面は日本の伝統芸術の象徴として、多くの美術館や博物館で展示されている。

（2）美術品・コレクター需要

国内外のコレクターの間で、能面は人気があり、特に黒髭能面は力強い表現が評価されている。