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本刀は、近代刀匠・小林隼之進国輝(こばやし はやとしん くにてる)在銘の一振りで、昭和期以降の新作刀ながら精緻な造り込みと端正な刃文で知られる逸品です。刀身は直刃(すぐは)調の穏やかな刃文、映りを宿す地鉄(じがね)が特徴で、骨董品としては作刀年代・刀匠の会派、鑑定書の有無、拵えの保存状態などが評価を大きく左右します。
小林隼之進国輝は昭和期に青森県で生まれ、祖父より鍛刀の技を継承。関東鍛錬会に参加し、昭和後期には伝統的な備前・播磨・山城等各地様式に学びつつ独自の直刃調を確立しました。日本美術刀剣保存協会や重要刀匠会の会員として研鑽を重ね、数々の公募展で受賞歴を持ちます。
刀身は鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)造りで、茎(なかご)を含めた姿は整然とし、反りは浅めの中反り。地鉄は板目肌(いためはだ)を基調に杢目(もくめ)や柾目(まさめ)が交錯し、映り(うつり)を伴う緻密な地景を呈します。磨上げにより地鉄が白銀色に輝き、鑑賞価値を高めます。
刃文は直刃調の互の目(ぐのめ)交じりを主体とし、細かい沸(にえ)気を伴って滑らかなリズムを刻みます。帽子(ぼうし)は先尖りの返りが綺麗に揃い、刃先まで沸が続く持続性が評価されます。刃縁には匂口(においぐち)の締まりも良く、地刃一如の統一感が感じられます。
茎(なかご)には「小林隼之進国輝」の銘が等間隔に陰刻され、鑢目(やすりめ)は勝手下がり、大切先(きっさき)仕様。鑑定書は日本美術刀剣保存協会の特別保存刀剣認定書が付属し、真贋と作刀年代を保証します。鑑定書の格付けは品位評価の基準となります。
拵えは鉄鍔(つば)に金具は無地鉄味返し、柄巻きは黒鮫皮(さめかわ)に正絹(しょうけん)下緒。鞘(さや)は黒呂(くろろ)塗りに腰緒付き。飾り緒や鯉口(こいくち)の金具も作家刻印があり、全体の保存状態が良好です。共箱には作者書付と登録証が揃っています。
小林隼之進国輝作の特別保存刀剣認定品は100万~200万円が相場。無鑑定書の新作刀は50万~80万円、拵えを含めた全揃いは150万~250万円となることが多いです。鑑定書の等級や保存状態、刃文の働きにより価格は上下します。
刀装具は湿度40~60%、室温20℃前後を維持し、刀身は使用後こまめに拭い油(ちょうじ油)を塗布。拵えは直射日光と乾燥エアコン風を避け、鞘内に防湿剤を入れて保管します。定期的な拭いと拵えの点検で劣化を防ぎます。
小林隼之進国輝在銘の一振は、新作刀ながら骨董的価値が高い逸品です。作刀年代、刀匠格、刃文・地鉄、茎銘・鑑定書、拵え、来歴資料の六要素が揃うことでコレクター市場で高い評価を受け続けることでしょう。
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