座屏 端渓葡萄刻座屛 買取実績

買取品名
座屏 端渓葡萄刻座屛
買取エリア
兵庫県神戸市北区
買取額

コメント
中国美術 座屏 端渓葡萄刻座屛を買取させていただきました。

概要


端渓葡萄刻座屏(たんけいぶどうこくざびょう)は、中国広東省端渓地区で産出される高級硯石「端渓石」を用い、葡萄文様を精緻に浮彫りした小型の卓上座屏(ざびょう)です。座屏とは屏風の一種で、折りたたみ可能な二つ折りまたは三つ折りの屏風を指し、書斎や文房四宝の脇に置いて飾る室内装飾用小型屏風です。本作は葡萄の房や葉、蔓を石地に彫り込み、そのまま座屏構造に仕立てることで、文人趣味と素材の質感を同時に楽しめる珍品として知られます。



歴史的背景


端渓石は宋代から中国文房具の最高峰硯として珍重され、清代以降には硯以外の工芸品にも利用されました。民間の彫刻師が端渓石の特異な色変化と堅牢性を活かし、硯屏や香炉台、印台など多彩な工芸品を制作。葡萄は「多子多孫」「実り豊穣」を象徴する吉祥文様として好まれ、乾隆帝や文人趣味の富裕層に愛されたモチーフです。



素材と制作技法


本作の素材は、端渓石の中でも「赤端渓」「墨端渓」と呼ばれる変化に富んだ色調を持つ原石。石肌の濃淡を背景に、葡萄の実・葉・蔓を鋭い鏨(たがね)で線彫し、さらに刀子(とうす)を用いて浮き彫りに仕上げます。屏風の骨組みは紫檀や黒檀を用いた縁枠に組み込み、蝶番(ちょうつがい)は金属または象牙製で、開閉が滑らかになるよう精緻に調整します。



意匠とデザイン


葡萄文様は左右対称に配置し、蔓の曲線が屏風全体にリズミカルな動きを与えます。実の熟し具合を表現する凹凸の大小や、葉脈の細かな刻みは作家の技量を示す見どころです。石地の自然なマーブル模様や赤み・黒みの濃淡を背景として生かし、浮彫部分との対比で立体感を際立たせるデザインが特徴です。



骨董的評価ポイント



  • 石質の良否:端渓石特有の「油滴水紋」や「蜡滴紋(ろうてきもん)」と呼ばれる結晶模様が鮮明かどうか。

  • 彫刻の精緻さ:葡萄の房や葉の彫り込みの深さ、線の切れ味と陰影表現。

  • 骨組みの保存:縁枠の木地質、蝶番や金具の緩み・摩耗の有無。

  • 来歴と銘:裏面や縁枠に作家名・年款の刻印、箱書きや旧蔵者印の有無。

  • 保存状態:石の欠け・ヒビ、木枠の歪み、彫刻面の破損や汚れ。



市場価格の目安


端渓葡萄刻座屏は完品・作家印・共箱付きで状態極上の場合、国内オークションや高級骨董店で200万円~400万円前後が相場です。木枠や蝶番に経年劣化が見られるものは100万円~200万円、彫刻面や石地に小傷や補修跡がある場合は50万円~100万円程度で取引されることが多いです。



保存管理の留意点


端渓石は硬度が高い一方で急激な温湿度変化や衝撃に弱いため、展示・保管は室温20℃前後・湿度50%前後の環境が望ましいです。直射日光を避け、埃は乾いた柔らかな筆で丁寧に払い、木枠部分は乾燥しすぎないように定期的に漆または蜜蝋ワックスで保湿ケアを行います。蝶番金具は乾燥した布で拭き、潤滑油を極少量差して滑りを保ちます。



まとめ


端渓葡萄刻座屏は、端渓石の希少性と葡萄文様の吉祥象徴、石工と木工の精緻な技法が融合した卓越した工芸品です。石質、彫技、骨組みの保存状態、来歴資料の有無が価値を左右し、優品は現代の文房具コレクターや骨董愛好家から高い評価と需要を集めています。



兵庫県神戸市で骨董品買取をご検討されているなら出張買取・高価買取の古美術寿永堂にご相談ください。

鑑定のご相談、
お待ちしております!

お電話でのご相談・鑑定依頼

電話買取簡易査定が可能ですので、まずはご相談ください。

0120-13-6767

鑑定依頼メールフォーム

出張鑑定や持ち込み鑑定のご依頼はメールフォームからも受け付けております。お気軽にご連絡ください。

メールフォームはこちら

LINEで簡単査定

LINEで簡単に査定が可能になりました。

友だち追加 LINEQR

多くの士業関係の方からも御依頼を頂いております。お気軽にご相談ください。