九代 大桶長左衛門 辻堂香合 買取実績

九代 大樋長左衛門「辻堂（辻堂飴釉）香合」の概説

九代大樋長左衛門（大樋長左衛門家に伝わる九代目作家）作の「辻堂香合」は、加賀・金沢を代表する大樋焼（大樋長左衛門窯）の作行きで、飴釉（あめゆう／飴色釉）を用いた小振りの香合（香の物を納める器）です。大樋焼は代々長左衛門を名乗る家系で伝統と一子相伝の技を継承しており、九代作は近代以降の作陶系譜に位置します。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

大樋焼（大樋長左衛門窯）の伝統と位置づけ

大樋焼は加賀藩前田家により保護された窯系で、茶陶を中心に数百年の歴史を持ちます。大樋家は一子相伝で技術と釉調を受け継ぎ、素朴で温かみのある赤茶・飴釉・練上などの風合いを特徴としてきました。九代の作品もその伝統を踏まえつつ個性を反映した現代性を示すことが多い点が魅力です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

「辻堂（辻堂飴釉）」の釉調と造形

辻堂香合と呼ばれるものは、飴色の深い釉調（飴釉）をまとった表面が特徴で、釉の流れや貫入、焼き締まりによる景色が鑑賞ポイントです。香合の形は丸形・楕円形・小壺形などさまざまで、手のひらに収まる大きさと釉の温もりが使いやすさと鑑賞性を両立させます。手取り・口縁の処理、蓋の嵌合具合が作家物の良否を見分ける重要事項です。

真贋・鑑定のポイント

作家物として鑑定する際は、（1）底の作家印や箱書・共箱の有無、（2）釉調の質感（飴釉の厚み・色むら・焼き縞）、（3）蓋と身の嵌合精度、（4）焼成時に出る景色（窯変・釉流れ・貫入）を総合的に確認します。九代大樋長左衛門の作例は落款や箱書が付くことが多く、来歴（掛札・箱書）で真贋と価値が裏付けられる点もポイントです。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

市場性と流通実例

辻堂飴釉の香合は市場でも流通が見られ、骨董店やオークション、フリマサイトに出回ることがあります。近年の出品例では数万円～数十万円前後の取引レンジが確認され、作家名・状態・箱付の有無で価格が上下します（出品実例参考）。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

保存と取り扱いの注意点

陶器は衝撃による欠けが最も致命的なので、収納時は緩衝材で個別に包むこと。釉面は急激な温度変化や強い酸アルカリで変質するため、洗浄は中性洗剤で手洗いし、乾燥は自然乾燥が推奨されます。箱や添え状（共箱・帛紗等）がある場合は必ず一緒に保管すると来歴価値が保たれます。

鑑賞のポイントと茶席での使い方

香合は茶席で蓋を軽く外して香を供するだけでなく、蓋をしたまま懐紙と共に披露することで作家の意匠や釉景を見せる道具です。飴釉の微妙な色ムラや光沢、手取りの暖かさを間近に鑑賞することで大樋焼の魅力を実感できます。

まとめ

九代大樋長左衛門作 辻堂（辻堂飴釉）香合は、大樋焼の伝統釉調を現代に伝える作家物の一例です。来歴（箱書・共箱）・落款・釉景・嵌合精度を総合鑑定し、適切に保管・取り扱うことで茶道具としても骨董としても価値を保てます。実物確認・来歴照合を伴う査定を行うのが確実です。:contentReference[oaicite:4]{index=4}


兵庫県神戸市で骨董品買取をご検討されているなら出張買取・高価買取の古美術寿永堂にご相談ください。