Menu
マイセン(Meissen)とロイヤル・コペンハーゲン(Royal Copenhagen)は、ドイツとデンマークを代表する近現代の名窯で、高度な技術と優雅なデザインにより、現在でも骨董品市場で高い評価を得ています。ティーカップは日常使いの小型器でありながら、胎土や釉薬、絵付け技法の精緻さが凝縮されたアートピースとしてコレクターに愛好されます。
マイセンは1710年創業の欧州初の硬質磁器工房で、18世紀から王侯貴族を顧客に高級磁器を提供。ロイヤル・コペンハーゲンは1775年に設立され、青と白の「ブルー フルーテッド」の伝統文様で知られます。両窯とも20世紀以降は近代的なデザインも採用し、現代作家とのコラボレーションや限定生産モデルを発表しています。
マイセンはカオリンや長石を主原料とする硬質磁器を還元焼成し、厚みと強度を兼ね備えます。特色ある青や多彩な色絵は釉上彩で、焼成後に金彩を施すこともあります。コペンハーゲンは硬質磁器と軟質磁器の中間に位置する生地を用い、釉下の藍染付と金彩を組み合わせる技法が主流です。いずれも手作業による下絵描きと筆づかいが評価されます。
マイセンのティーカップは「ミッドナイトブルー」「ハイドン」「アラビアンナイト」など多彩なパターンがあり、鷲のマークやナンバリングでシリーズが識別できます。コペンハーゲンは「ブルー フルーテッド プレーン」「フルーテッド メドレー」「イヤープレート」など季節感や記念作が人気です。いずれもフォルムに安定感があり、取っ手の形状やソーサーとの組み合わせで個性が際立ちます。
骨董的価値を見極めるうえで、底面のバックスタンプ(窯印)は必須項目です。マイセンは「剣マーク」に赤いナンバー、「オールド・マイセン」「GERMANY」などの刻印で製造年代が推定可能。コペンハーゲンは「三つ波ロゴ」に「DENMARK」「ROYAL COPENHAGEN」「イヤー」表記、裏印のフォントやロゴの変遷から製造期を特定できます。
マイセン現行シリーズのティーカップ&ソーサー(ペア)は、新品価格で5万~15万円程度。ヴィンテージで製造中止モデル、初版や特注品は20万~50万円以上で取引されることがあります。ロイヤル・コペンハーゲンは現行品で3万~8万円、イヤープレート付限定シリーズは10万~30万円、アンティーク品はさらに高額となり、保存極上品は50万円以上となる場合もあります。
マイセンとロイヤル・コペンハーゲンのティーカップは、素材の優れた強度と美しい絵付け、窯印による来歴の明確さが骨董品としての価値を決定づけます。現代作からヴィンテージ・アンティークまで幅広いモデルが存在し、限定生産や廃盤モデルは一層の希少性を帯びます。適切に管理された完品は国内外のコレクター市場で高い需要を誇り、今後も安定した相場を維持し続けることでしょう。
鑑定のご相談、
お待ちしております!
多くの士業関係の方からも御依頼を頂いております。お気軽にご相談ください。