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中国書画の世界では、近現代に活躍した趙文敏(ちょう・ぶんびん、1894-1952年頃)と、元代を代表する文人画家・帝王詩人の趙孟頫(ちょう・もうふ、1254-1322年)の作品が高い評価を受けています。中でも趙孟頫の「美人図」は希少な肉筆画として骨董市場で注目され、趙文敏の書画は近年の評価急騰によりコレクターズアイテムとなっています。
趙文敏は上海美術学校で西洋画を学び、帰国後は中国画と書を融合させた独自の作風を確立しました。花鳥・人物・山水をモチーフに、淡彩と流麗な線描が特徴です。書作では伝統的な行書・草書を基礎に、モダンでリズミカルな墨跡を残します。骨董品としては、真筆の肉筆紙本・絹本が希少で、裏打ちの種類や落款・画押の鮮明さ、旧蔵印の有無が評価を左右します。
趙孟頫は宋代の文人として王羲之の書風を復興し、絵画では魏晋南北朝風の意趣を再興しました。彼の美人図は、古典的な顔立ちに柔らかな彩色を施し、衣文のなびきや手足の細部表現に優れた優雅さを宿します。肉筆作品は現存数が極めて少なく、特に宋元交替期の風合いを残す絹本水墨淡彩美人図は骨董市場での最高評価対象となります。
趙文敏の肉筆書画は50万円~300万円、署名落款・旧蔵印付きの優品は300万円超。趙孟頫の美人図肉筆絹本は、保存極上・来歴確実品で1,000万円~数千万円、大型・重要コレクション出品品では1億円を超える例もあります。画題やサイズ、状態、来歴が価格に大きく影響します。
絹本・紙本の掛軸は湿度40~60%、温度20℃前後の環境で保管。直射日光・エアコン風を避け、展示期間を限定し、定期的な裏打ち替えを専門家に依頼します。鑑定では顕微鏡や赤外線透過検査による裏打ち層や彩色層の解析が行われ、最新の科学分析が真贋・年代判定に有効です。
趙文敏の書画と趙孟頫の美人図は、中国書画史を代表する作品群であり、素材(絹・紙)、筆致、彩色、表装、来歴を総合的に評価することで骨董的価値が決まります。真作で保存状態良好なものは、国内外のコレクターや美術館から熱い視線が注がれ、今後も需要と価格が高止まりすることが予想されます。
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