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翡翠ペンダントトップは、翡翠(硬玉・軟玉)の自然美と日本や中国の彫刻技術が融合した装身具であり、古来より富や権威、長寿の象徴として珍重されてきました。特に古い時代の作例は、石質の優れたもの、彫刻の巧妙さ、来歴の確かなものほど骨董市場で高い評価を得ています。
翡翠は緻密で硬度が高く、光を内側で拡散させる独特の半透明感があります。硬玉(ジェダイト)は鮮やかな緑色や翡翠光沢が特徴で、軟玉(ネフライト)は白緑や淡黄緑が見られます。色相・透明度・インクルージョンの有無が価値を左右し、上質な硬玉は「キング・オブ・ジェード」と呼ばれます。
中国では新石器時代から翡翠は儀礼用具や装飾品に、奈良・平安期の日本では勾玉や仏具の素材として用いられました。江戸後期には輸入翡翠を用いた佩用具が武家女性の間で流行し、近代以降はペンダントトップや帯留めに発展。各時代の彫刻様式や彫刻師の流派が作品に刻まれています。
ペンダントトップの形状は、龍・鳳凰・獅子頭など吉祥文様を透かし彫りや浮彫で表したものが多く見られます。桃、瓜、如意など縁起図像も人気です。縁取りに純銀や純金の金具を組み合わせた作品は、色彩のコントラストと質感の対比が華やかさを演出します。
鏨(たがね)を用いた線彫り、鏡面磨き、透かし彫りなど多段階の工程を経て仕上げられます。特に立体感を出す浮彫や眼部のクリスタル留め技法は高度な技術を要し、名工の作品は石目に沿った自然な造形と緻密な表情が特徴です。
時代や来歴によって大きく異なりますが、明治期〜大正期の上質な硬玉透かし彫り作品は100万円〜300万円、昭和初期作の保存良好品は50万円〜100万円、来歴不明・小品は10万円〜30万円が相場の目安となります。
翡翠は硬度が高い一方、衝撃に弱く錆や化学薬品にも注意が必要です。展示・保管はクッション布や桐箱に収め、直射日光や急激な温湿度変化を避けましょう。銀金具は酸化しやすいので、使用後は柔らかい布で拭き取りを行います。
翡翠ペンダントトップは、自然石の美しさと伝統彫刻技術が融合した骨董品です。素材、彫刻、来歴、保存状態の四つを総合的に評価し、完全品は高額取引の対象となります。近年は海外コレクターの需要も高く、今後も価値が維持・上昇すると期待される逸品です。
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