時代屏風 片双 買取実績

買取品名
時代屏風 片双
買取エリア
奈良県大和郡山市
買取額

コメント
時代屏風 片双を買取させていただきました。






時代屏風 片双の骨董的価値



時代屏風 片双の骨董的価値と魅力



1. 屏風の歴史と文化的役割


屏風(びょうぶ)は、古代中国から伝来し、日本においては奈良時代から室内装飾や空間の仕切り、礼法の背景画などとして重要な役割を果たしてきました。平安貴族の御殿装飾から戦国・江戸の武家文化、明治以降の近代住宅に至るまで、屏風は日本の生活と美意識に深く根ざした存在です。中でも「時代屏風」と呼ばれるものは、歴史的な年代が判明する骨董品であり、美術品・歴史資料として極めて高い価値を持ちます。



2. 片双(かたそう)とは何か


「片双」とは、屏風の形式の一種で、本来は一対(双)の屏風のうち、片側(片)だけが残った状態を指します。本来の一双が揃っていれば理想ですが、数百年を経た現在においては、火災や戦乱、転売などの事情により片方のみ現存している例が多く、それでも希少性と歴史的背景から高く評価されることがあります。



3. 時代屏風の構造と装飾



(1)基本構造


屏風は、紙または絹本に描かれた画面を骨組みに貼り、折り畳めるようにした調度品です。木枠に細竹を入れて「骨」を作り、画面には金箔や銀箔、顔料が施され、縁(ふち)には布や漆の装飾が施されます。装飾性だけでなく、移動可能な家具としての機能性も重視されていました。



(2)装飾技法と画題


時代屏風に描かれる画題は多彩で、以下のようなテーマが見られます:



  • 風景画(四季の山水、花鳥図)

  • 人物画(遊楽図、武者絵、故事人物)

  • 物語絵(源氏物語、伊勢物語など)

  • 宗教画(仏教説話や神仏図)


特に金地屏風(金箔を背景にした画面)は、豪華絢爛な美術品として江戸時代の大名や茶人に重宝されました。



4. 骨董品としての評価ポイント



(1)制作時代の特定


桃山、江戸前期、中期、後期といった時代背景の判別は、描画技法や顔料の使用、金箔の貼り方、裏打ちの紙質などから専門家によって行われます。時代が古いほど評価は高くなります。



(2)絵師の特定


狩野派、土佐派、円山派など、流派や絵師の特定ができる場合、その作品は一層価値が上がります。無銘であっても筆致や構図、画風から流派の影響を読み取れる作品は、美術史的にも貴重です。



(3)保存状態と修復歴


古い屏風であっても、絵具の剥落や紙の破れが少なく、補修が適切に行われていれば評価は高まります。一方で、過度な補彩や現代的な修復がなされていると、価値が下がることもあります。



(4)装飾と素材


縁の錦、金箔の質、丁番金具、裏貼りの文様なども、時代や格調を判断する重要な要素です。屏風そのものの仕立てが丁寧であるかも評価材料となります。



5. 片双であることの評価


本来は一双の片方である「片双屏風」は、その片方が失われている点で減点要素となる場合もありますが、以下のような場合には高評価が維持されます:



  • 片方でも画面構成として完結している場合。

  • 絵師や時代が特定され、美術的価値が高い場合。

  • 保存状態が極めて良好である場合。

  • 希少な画題、技法が用いられている場合。


特に茶道具や飾りとして使用する際は、片双であっても機能的価値が保たれるため、需要は十分に存在します。



6. 市場価格の目安



  • 江戸初期・狩野派作品(片双・保存良好):200万円〜500万円

  • 江戸中〜後期の無銘作品:80万円〜200万円

  • 明治期以降の写し・保存品:30万円〜80万円

  • 修復歴あり・損傷ありの作品:10万円〜30万円



7. 現代における評価と活用


時代屏風は、美術品としての収集対象であるだけでなく、料亭や茶室、ホテルのロビー、美術展での展示装飾としても活用されています。近年ではインバウンド需要の高まりにより、海外の収集家からも注目されています。保存には湿度管理と光の調整が必須で、専門的な取り扱いが求められます。



8. まとめ


時代屏風の片双は、一対でないという点では減点要素となるものの、時代的価値や美術性、保存状態によっては依然として高く評価される骨董品です。日本の絵画史や工芸史を映す貴重な資料であり、その装飾性と歴史的背景は、現代の空間においても優れた存在感を発揮します。






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