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古墨(こぼく)は、墨を固めたもので、書道や絵画の際に使用される文房四宝の一つです。特に中国の古墨は、その製作技術と芸術性の高さから、美術品としての価値も認められています。
十二属(じゅうにぞく)とは、中国の干支(十二支)をモチーフにした墨のセットを指します。子(ね)、丑(うし)、寅(とら)などの各動物が彫刻や彩色で表現されており、これらのセットは吉祥や縁起物としても珍重されました。
十二属古墨は、単なる文房具としての役割を超えて、美術品や装飾品としての価値を持ちます。特に保存状態の良好なものは、展示品としても高く評価されます。
古墨の製造は、松煙(しょうえん)や油煙(ゆえん)を練り上げ、乾燥させる工程を経て作られます。十二属古墨の場合、これに加えて彫刻や彩色が施されるため、技術的な熟練度が求められます。
墨の表面には金彩や顔料が施されており、動物の表情や模様が細密に描かれています。これにより、立体的な造形美が引き立ちます。
清朝時代から民国期にかけて製作された十二属古墨は、特に高額で取引されることが多いです。保存状態が良好なものや名工の銘が入ったものは数十万円から数百万円の価値がつくこともあります。
名工のサインや工房の刻印が入っているものは、市場価値が高まります。特に乾隆や嘉慶の時代に製作されたものは希少価値が高いとされます。
墨のひび割れや欠けがなく、彩色が剥がれていないものが高評価されます。特に12個すべてが揃っているセットは市場での需要が高いです。
十二属古墨は、書道具としての役割を超えて、美術工芸品としての価値が認められています。美術館やギャラリーでも展示されることが多く、保存状態が良好なものは文化財としても評価されます。
国内外のアンティーク市場では、保存状態が良好な十二属古墨は高額で取引されることが多く、特にセットが完全に揃っているものは希少価値が高まります。
中国十二属古墨は、その精緻な彫刻と彩色が特徴の美術工芸品であり、文房四宝としての実用性だけでなく、飾り物や美術品としても高い評価を受けています。保存状態や制作年代、工房の銘の有無によって市場価値が大きく変動し、今後も骨董市場での需要が期待される逸品です。
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