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銀製の骨董品をお持ちで、「これ、売ったらいくらになるのだろう」と考えたことはありませんか。銀製品には、ただの金属としての価値以上に、美術的・歴史的な評価が加わることがあります。しかしその価値は、見た目や重さだけでは判断できません。この記事では、銀製骨董品の買取相場と査定の考え方、そして高く売るためのポイントを詳しく解説します。
まず押さえておきたいのは、「銀製品」と一口に言っても、その意味は幅広いということです。一般的には、銀食器や銀杯、香炉、仏具、ティーセットなどが挙げられますが、それらがすべて同じ価値基準で査定されるわけではありません。
最も単純な価値は「素材」としての価値、つまり銀の純度と重さによって決まる地金価格です。純銀(SV1000)やスターリングシルバー(SV925)であれば、銀相場に基づいた金額が付きます。ただし、これに加えて「誰が作ったか」「どの時代のものか」「技法や装飾はどうか」といった要素が加わると、地金価格を大きく上回る価値がつく場合があります。
銀製の骨董品は、そのほとんどが「工芸品」または「装飾品」として評価されます。評価基準はおおむね以下のような要素で構成されます。
まず重視されるのが、作家名や工房の存在です。近代銀器であれば、宮内庁御用達や有名な銀工芸家の銘がある品は非常に高く評価されます。明治期の輸出銀器などは、海外でもコレクション需要が高く、買取価格が数十万円を超えることも珍しくありません。
次に重要なのが保存状態です。銀は変色しやすい金属のため、黒ずみや硫化による変色が目立つ場合にはマイナス評価となりますが、クリーニングや磨きによって簡単に復元できる程度であれば、それほど大きな減額にはなりません。ただし、装飾部分の欠損や変形、刻印の消失などは評価を大きく下げる要因になります。
そして忘れてはならないのが「付属品」です。オリジナルの箱、証明書、作家のしおりなどがある場合、それらが価値を裏付ける資料となり、査定額を押し上げることにつながります。
銀の相場価格は日々変動していますが、2025年時点では1gあたりおよそ100〜120円前後で取引されています。たとえば、重さ500gの純銀製品であれば、地金価格だけで5万〜6万円程度の価値があることになります。
しかし、これはあくまで素材として見た場合の話です。もしその品が明治期の銀瓶や、有名工房による香炉であれば、素材価格に10倍以上のプレミアがつくこともあります。一見シンプルな銀の皿や花瓶でも、刻印やデザインが評価されて高額査定となるケースは少なくありません。
つまり、銀製品は「見た目が地味」「重くない」といった理由で自己判断せず、必ず専門業者の査定を受けることが大切です。
高く売るために最も重要なのは「どこで売るか」です。一般的なリサイクルショップや地金専門の買取店では、銀の価値を重さでしか見ないことが多く、美術的・歴史的価値を正当に評価してくれることはほとんどありません。
骨董品としての価値を評価できるのは、美術・工芸の専門知識を持つ買取業者だけです。そういった業者であれば、銀製品の歴史や作家背景を正しく読み取り、相場以上の価格を提示してくれる可能性があります。
また、素人判断での磨きや修復はおすすめできません。銀磨き剤などを使ってしまうと、かえって細かな装飾が消えたり、表面を傷めて価値を下げるリスクがあります。多少の変色や汚れがあっても、まずはそのままの状態で査定を受けるのが正解です。
銀製品の買取において重要なのは、「重さ」ではなく「背景」を見ることです。素材としての価値はあくまでベースにすぎず、そこに作家性や歴史性、装飾性が加わって初めて、骨董品としての価値が決まります。
自宅にある銀製の置物や道具が、実は数十万円の価値を秘めているかもしれません。判断に迷ったら、まずは骨董・美術専門の買取業者に相談してみましょう。予想以上の査定額が提示される可能性は、決して低くありません。
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