ブログ

繊細な筆づかいと独自の美意識で描かれる日本画は、時代を超えて多くの人々を魅了してきました。ご自宅に眠る日本画の作品を「そろそろ売却したい」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、「本物かどうか分からない」「いくらで売れるのか不安」「どこに査定を依頼すればいいのか迷う」といった声がよく聞かれます。この記事では、日本画の価値を正しく見極めるための鑑定方法や、失敗しない売却方法について詳しく解説します。

日本画の価値はどう決まる？

まず、日本画の価値はさまざまな要素によって評価されます。単純に「古いから高い」というわけではなく、以下のような点が大きなポイントとなります。

• 作者の知名度や評価
  著名な画家（例：横山大観、東山魁夷、上村松園など）の作品であれば、市場での需要も高く、価値も上がりやすくなります。
• 作品の保存状態
  シミ、退色、破損、表装の傷みなどは減額の対象になります。反対に、保存状態が良好なものは評価が高くなります。
• サイン・印・共箱・鑑定書の有無
  落款（サイン）や印章が入っていることはもちろん、共箱や鑑定書などの付属品があると、真作である証拠となり、査定額アップにつながります。
• 作品のサイズやモチーフ
  壁に飾りやすいサイズや、人気のある題材（桜、富士山、女性像など）も評価を左右します。

日本画の鑑定方法

日本画を売却する前には、まずその真贋（本物かどうか）と価値を知るための鑑定が必要です。鑑定には主に次の2つの方法があります。

1. 専門家・鑑定人に依頼する

日本美術専門の鑑定士や美術商に依頼して、直接鑑定を受ける方法です。たとえば著名な日本画家には、それぞれの「鑑定機関」や「遺族・研究機関」が存在し、正式な鑑定書を発行してもらうことが可能です。

ただし、こうした鑑定書の発行には数万円の費用がかかることもあります。また、発行までに数週間程度を要する場合もあるため、余裕を持って依頼する必要があります。

2. 買取専門店の無料査定を活用する

多くの骨董品・美術品の買取店では、無料の査定サービスを提供しています。プロの目で真贋と相場を見極め、実際の買取価格を提示してくれます。

訪問買取・出張査定・LINE査定など、自宅からでも気軽に相談できるサービスも増えており、近年は手軽に鑑定・相談できる環境が整ってきました。

日本画を高く売るためのコツ

鑑定を経て、いざ売却となった際に、より高く売るためにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

査定は1社だけでなく複数に依頼する

店舗ごとに得意とする画家やジャンルが異なります。1社だけの査定額に決めてしまうと、損をしてしまう可能性があります。できれば2〜3社から査定を取ることで、適正な相場感がわかり、納得のいく売却につながります。

売却のタイミングを見極める

美術品の相場は常に一定ではありません。例えば、テレビで紹介された作家や展覧会が話題になった作家の作品は、一時的に相場が上がることもあります。また、海外オークションで高値が付いた影響で、国内市場にも波及するケースもあります。

安易にリサイクルショップやフリマアプリで売らない

日本画は専門的な鑑定が必要なジャンルです。リサイクルショップでは適正な評価がされず、実際の価値よりも大幅に安く買い叩かれるリスクがあります。また、フリマアプリなどでは真贋を証明できずトラブルにつながることもあります。

売却先としておすすめの方法

骨董品・美術品専門の買取業者に依頼する

最も安心かつ高額査定が期待できる方法です。専門知識を持った鑑定士が在籍しており、市場の動向を加味したうえで適切な価格を提示してくれます。

なかでも、実店舗を持ちつつ全国出張に対応しているような業者であれば、地方在住でも安心して相談できます。

美術品オークションを活用する

場合によっては、オークションに出品することで、市場価格以上で売れる可能性もあります。ただし、出品手数料や落札までの時間、取引の煩雑さもあるため、慣れていない方にはややハードルが高いかもしれません。

日本画売却に関する注意点

• 無許可業者には注意を
  古物商許可を持たない業者は違法営業です。必ず「古物商許可番号」の有無を確認しましょう。
• 強引な買い取りをしてくる業者も存在する
  訪問査定を依頼した場合、強引な価格提示や契約を迫る業者も存在します。安心できる業者か、事前に口コミや評判を確認することが重要です。
• 本物だと信じていたが贋作だった…というケースも多い
  鑑定の結果、模写や贋作と判明することもあります。感情的にならず、客観的な価値に耳を傾ける姿勢も大切です。

まとめ：大切な日本画を納得のいく形で売却するために

日本画の売却には、専門知識・適正な評価・信頼できる業者選びが欠かせません。価値ある作品を安易に手放してしまわないよう、まずはプロの鑑定士に相談することから始めてみましょう。

特に最近では、日本画の人気が国内外で高まっており、思わぬ高値がつくこともあります。正しい知識と手順を持って対応すれば、納得のいく売却ができるはずです。