Menu
寿永堂ではこのたび、江戸時代に鋳造された「丁銀(ちょうぎん)」および「豆板銀(まめいたぎん)」を出張買取にてお譲りいただきました。
丁銀・豆板銀は、日本の貨幣制度が整う以前に用いられていた「秤量貨幣(はかりょうかへい)」の代表的な銀貨であり、江戸期を通じて金貨・小判と並び重要な通貨として流通しました。
銀そのものの重量と品位によって価値が定められていたため、時代ごとに形状や刻印が異なり、当時の経済史や金銀流通のあり方を知る上で非常に貴重な存在です。
丁銀と豆板銀はいずれも秤量銀貨に分類されますが、その形状と用途に違いがあります。
いずれも「丁銀一枚=豆板銀数十枚」に相当し、必要な分量を計り取って取引に用いたことから、現代の貨幣とは異なり「量目(重量)」が価値の基準でした。
そのため、当時の商人は常に「秤(はかり)」を持ち歩いていたと伝えられています。
丁銀・豆板銀はいずれも銀の延べ塊を手作業で成形し、極印(ごくいん)と呼ばれる刻印を打ち込んで発行されました。
代表的な刻印には「常是」「宝」「保字」「玉」「寳永」「南鐐」などがあり、それぞれの時代・銀座役所・鋳造地によって異なります。
この刻印が、貨幣の真正を保証する印であり、現代の貨幣制度における「政府保証」に相当します。
また、銀の純度(品位)は時代によって変動しており、初期の丁銀は高純度(90%以上)でしたが、後期には70%前後に下がるなど、経済事情を反映しています。
豆板銀はその小ささから一見単純に見えますが、極印や鋳肌の状態から時代を判別することが可能です。
また、現存数が多いように見えても、完全な形状で残るものは少なく、欠けや摩耗の少ないものほど価値が高まります。
丁銀・豆板銀は、単なる金属貨幣ではなく、日本経済史の一端を物語る歴史資料として評価されています。
骨董品・古銭としての価値を左右するポイントは以下の通りです。
特に、南鐐(なんりょう)刻印のある丁銀や、江戸後期の美しい鋳肌を残す豆板銀はコレクター間で人気が高く、保存状態が良好なものは高い評価を得ます。
また、金貨や小判と異なり一枚ごとの個体差が大きいため、同じ刻印であっても形・厚み・銀色の風合いによって価値が異なります。
今回お譲りいただいた「丁銀・豆板銀」は、銀の純度・重量ともに安定し、極印が明瞭に残る保存状態の良いお品でした。
江戸時代の貨幣制度を象徴するこれらの銀貨は、経済的価値のみならず、歴史資料・工芸品としても重要な文化財的価値を持っています。
寿永堂では、丁銀・豆板銀をはじめ、古金銀・小判・南鐐銀・領国貨幣など、日本古銭全般の出張買取を承っております。
専門知識を有する鑑定士が、一点ずつ丁寧に査定し、時代・品位・鋳造背景を総合的に評価いたします。
古銭や古金銀のご売却をお考えの際は、ぜひ寿永堂へご相談ください。
大切に受け継がれてきたお品の真価を、誠実に見極めさせていただきます。
鑑定のご相談、
お待ちしております!
多くの士業関係の方からも御依頼を頂いております。お気軽にご相談ください。