中国拓本一式 買取実績

買取品名
中国拓本一式
買取エリア
滋賀県甲賀市
買取額

コメント
中国拓本一式を買取させていただきました。






中国拓本一式の骨董的価値



中国拓本一式の骨董的価値と魅力


中国拓本一式は、石碑や墓誌、銅器銘文など原刻を墨で写し取った紙本資料群であり、書道史・金石学の不可欠な一次史料です。古拓本や宋拓・明拓などを含め、原拓の希少性、拓紙の品質、墨痕の深浅、後補や保存処理の状態が評価の要点となります。



1. 拓本の定義と特性


拓本とは、石刻・碑碣・墓誌碑などの凹凸を濡らした宣紙に墨を置き、刷毛や棒で擦り写し取る技法です。文字だけでなく刻文周囲の風化や砕片も再現され、拓本には拓師の技量が如実に反映されます。



2. 歴史的背景と分類


中国拓本は魏晋南北朝から始まり、唐代・宋代に黄金期を迎えました。古刻本(唐拓)→宋拓→明拓→清拓→現代拓の順に続き、原拓本は特に宋代以前の拓本を指します。時代が遡るほど希少性は増し、研究・収集価値も飛躍的に高まります。



3. 一式の構成要素


拓本一式には以下の要素が含まれることが多い:



  • 原拓本数十幅(名跡碑文、法帖拓、墓誌拓など)

  • 元箱・加彩箱(拓装に用いた桐箱や包み)

  • 巻子・冊子仕立て(保存や閲覧の形態)

  • 拓紙(楮紙・麻紙)、表具裂地



4. 骨董的評価のポイント


骨董品としての拓本評価は以下の項目で決まります:



  • 原拓/二次拓の別:原拓は最初に採拓された拓本で、拓痕が鮮やかかつ立体的。

  • 拓紙の紙質:古宣紙や宋代麻紙は光沢と耐久性が高く、価値が高い。

  • 墨色と拓痕:墨の濃淡や拓痕の鋭さが当時の拓師の技術を物語る。

  • 保存状態:破損・虫損・水濡れ・色褪せが少ないことが望ましい。

  • 来歴・銘記:箱書き、拓師印、旧蔵印などが揃うと評価が上がる。



5. 代表的名跡碑拓本の例


以下は骨董市場で特に高評価される拓本例です:



  • 欧陽詢「九成宮醴泉銘」原拓本

  • 顔真卿「多宝塔碑」原拓本

  • 褚遂良「雁塔聖教序」宋拓本

  • 孔子廟碑、李斯「泰山刻石」拓本



6. 市場価格の目安



  • 唐・宋代原拓本(一幅、状態極上):100万円~300万円

  • 宋拓初拓本(一幅):50万円~150万円

  • 明拓・清拓(良好保存):20万円~80万円

  • 二次拓・後拓(状態普通):数万円~20万円



7. 収集・保存の実務


拓本は湿度・温度変化に弱いため、湿度50%前後、直射光を避けた環境で保管します。桐箱や紫檀箱に包み、化繊ではない布で包むと紙面の劣化を防ぎます。定期的に専門家による点検・補修を受けることも重要です。



8. 現代における意義と需要


書道研究、美術館・大学の資料、個人コレクションとしての需要が依然高く、日本国内外の東洋美術市場で活発に取引されています。とくに中国・台湾・香港のコレクターが積極的な入札を行っており、今後も希少性と文化的価値から市場価値は維持・上昇が見込まれます。



9. まとめ


中国拓本一式は、書道名跡を原刻のまま伝える貴重な一次史料であると同時に、美術工芸品としての趣を備えています。原拓本の希少性、拓紙と墨色の質、保存来歴の明確さが価値を決定し、骨董市場で高額取引される分野です。適切な保存と管理のもと、大切に受け継がれていく文化財と言えるでしょう。






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