人間国宝 金重陶陽「壺屋焼抱瓶他海老魚紋花瓶」 買取実績

買取品名
人間国宝 金重陶陽「壺屋焼抱瓶他海老魚紋花瓶」
買取エリア
青森県黒石市
買取額

コメント
人間国宝 金重陶陽「壺屋焼抱瓶他海老魚紋花瓶」を買取させて頂きました。

金重陶陽と壺屋焼の歩み


金重陶陽(かなじゅう とうよう、1893–1966)は、沖縄・壺屋焼の技術を革新した人間国宝(1955年認定)であり、伝統的な赤瓦土や辰砂釉を用いた色絵の美を追究しました。昭和初期から戦後にかけて、沖縄の風土と歴史を映す独自の表現を築き、壺屋焼を全国に知らしめました。



作品概要:「抱瓶」と花瓶の意匠


「抱瓶(だきびん)」は肩から胴を大きく張らせ、狭い口縁を抱きかかえるような丸みのある形が特徴です。他作の海老・魚紋花瓶は、抱瓶の流麗なフォルムに加え、海老や鯛、鱗文を文様化し、沖縄の海洋文化を象徴的に表現しています。



造形と成形技法


胴部は轆轤成形で丁寧に挽かれ、抱瓶のふくよかなプロポーションを生み出します。その後、ひび割れ防止のために数ヶ月の自然乾燥を経て素焼き。焼成は酸化・還元を駆使する高温酸化焼成で、土味を引き立たせながら辰砂や鉄釉の発色を安定させます。



釉薬と色絵の特徴


表面は辰砂釉や鉄釉の深い赤・黒・茶に覆われ、顔料絵具で海老や魚を描く「色絵技法」を融合。陶陽ならではの厚塗りと薄擦りを組み合わせ、海老の甲羅や魚の鱗を繊細に浮彫り風に描出しています。



海老魚紋の象徴性


海老は“長寿”“厄除”の吉祥モチーフ、魚は“豊漁”“生命力”を象徴します。沖縄の漁民文化を踏まえた意匠で、抱瓶の胴を巡る文様は、海の恵みへの感謝と庶民生活への敬意を表しています。



真贋鑑定のポイント


真作鑑定では、辰砂釉の微細な結晶斑、鉄釉の景色、色絵顔料の堆積具合を観察。陶陽のサインは底部に「陶陽」銘と丸印が刻まれ、指跡を残す彫り跡や筆致の揺らぎが本物の証となります。



市場価値と価格相場


金重陶陽作の抱瓶や海老魚紋花瓶は希少性が高く、保存良好な完全品は百~数百万円が相場。来歴書付や初期作例はさらに高値で取引されることがあり、コレクター間で人気の高い逸品です。



コレクション性と展示の魅力


抱瓶の丸みとモチーフの動的文様は、単体で空間の中央を飾るオブジェとしても優れています。照明を工夫し、辰砂の輝きと色絵の陰影を際立たせると、海の物語が豊かな表情で浮かび上がります。



保存・取り扱いの注意点


陶器は急激な温湿度変化や落下・衝撃に弱く、釉面のヒビ割れや剥落を防ぐには、保管は温度20℃前後・湿度50%前後の安定環境が望ましい。埃は柔らかな馬毛筆で優しく払い、化学薬品は避けてください。



まとめと文化的意義


金重陶陽の壺屋焼抱瓶や海老魚紋花瓶は、沖縄の文化と自然を陶芸に昇華させた傑作工芸品です。造形・技法・意匠・来歴・保存状態を総合的に鑑定し、適切に管理することで、その歴史的・美術的価値を次世代へと継承できます。



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