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十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)は、観音菩薩の変化身の一つで、十一の顔を持ち、衆生のあらゆる苦しみに応じて慈悲を施す存在です。正面の慈悲相に加え、忿怒相や笑顔などが頭部に配され、あらゆる方向から人々を救済するとされます。
十一面観音像は、平安時代より広く信仰され、国家安泰や災厄除け、病気平癒などを願う仏像として寺院に安置されてきました。立像形式は荘厳で威厳があり、堂内安置用から個人の礼拝用まで多様に存在します。
多くの像には岩絵具や金泥を用いた彩色が施され、衣文の陰影や蓮華台の装飾により立体感が強調されています。経年による彩色の剥落や古色も骨董的価値を高める要素です。
檜や楠などの高級木材を使用し、一木造または寄木造で制作されることが一般的です。表情や手の仕草、衣文線の彫りに仏師の力量が顕れます。
下地に胡粉を塗り、漆で固めた上に金泥や彩色を施す技法が伝統的です。彩色の保存状態や補修の有無が市場評価に直結します。
室町〜江戸初期の像は特に価値が高く、保存状態や来歴によっては美術館級の扱いを受けることもあります。大正〜昭和初期の作品でも精緻な造形であれば評価されます。
著名な仏師の作であれば銘の有無に関わらず高評価されます。特定の宗派様式(例:真言宗・天台宗)に準拠した造形も市場で重視されます。
木部の劣化が少なく、顔や手など主要部位の造形が良好に保たれていれば、高値での取引が見込まれます。共箱や銘札がある場合、評価はさらに上がります。
一部の十一面観音像は重要文化財に指定されており、仏教美術の中でも極めて重要な位置を占めます。宗教的価値だけでなく、日本の造形芸術としても高く評価されています。
国内外のコレクターから需要があり、信仰用としてだけでなく、アートピースや歴史的資料としても注目を集めています。
仏像木彫り十一面観音菩薩立像(65cm)は、宗教的信仰、美術的完成度、骨董的価値の三拍子が揃った逸品です。制作年代や仏師、保存状態に応じて価値が大きく変動し、今後も文化財・美術品として広く評価され続けることでしょう。
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