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南鐐銀とは、銀の純度が非常に高い精錬銀を指し、江戸時代の幕府および各藩(領国)で発行された銀貨の中でも特に格式の高い貨幣です。
本品は、大判形状を成す領国貨幣として制作されたもので、当時の銀座役所や藩の鋳造所で打たれた可能性があり、極めて貴重な一枚でした。
南鐐特有の柔らかな光沢と緻密な打刻が残り、歴史的にも美術的にも価値の高い逸品です。
「南鐐(なんりょう)」とは、南蛮貿易を通じて伝わった精錬技術で作られた高純度の銀を指します。
江戸幕府は貨幣制度の安定を目的に、丁銀・豆板銀などとともに南鐐銀を鋳造しました。その中でも「南鐐銀大判」は、通貨としての使用だけでなく、贈答・儀礼・献上など特別な用途に用いられたとされています。
純度95%以上の銀を使用しており、手に取るとずっしりとした重量感と、光を柔らかく反射する上品な白色が特徴です。
表面には藩の紋章や花押が打刻され、裏面には打ち出し痕が残るなど、当時の鋳造技術の高さを今に伝える美しい造形が見られます。
また、南鐐銀は通常の流通貨幣よりも製造数が少なく、その多くが時代を経て溶解・再利用されたため、現存する個体は極めて限られています。
そのため、完全な形で残る南鐐銀大判は、古銭市場でも特別な存在といえます。
「領国貨幣」とは、江戸時代に各藩が幕府の許可を得て独自に鋳造・流通させた貨幣の総称です。
南鐐銀大判の中にも、特定藩によって鋳造されたものが存在し、これらはその藩の経済的自立を象徴する存在でした。
例えば、薩摩藩や仙台藩などでは、領内経済を活性化させるため独自の貨幣政策を実施し、藩札や領国貨幣を発行した記録が残っています。
南鐐銀大判の中には、こうした背景を持つ「領国版」があり、地域史や政治経済史の資料としても高い評価を受けています。
南鐐銀大判の価値を決定づける要素は、素材の純度・刻印・発行時期・保存状態の4点です。
特に以下のような特徴が見られるものは、古銭コレクターや研究家の間で高く評価されます。
南鐐銀大判は、古銭の枠を超えた美術工芸品としても価値があります。
銀の打ち出し痕や鎚目模様、刻印の美しさには、当時の金工師たちの卓越した技術が込められており、日本の貨幣史における芸術的完成度の高さを物語っています。
今回お譲りいただいた「南鐐銀大判 領国貨幣」は、江戸時代の経済・工芸文化の粋を示す極めて貴重な古銭でした。
南鐐特有の柔らかな輝きと、領国貨幣としての歴史的背景が融合した逸品であり、学術的・美術的両面で高い価値を有しています。
寿永堂では、このような南鐐銀・古金銀・大判小判・領国貨幣などの貴重な貨幣類を、専門知識を持つ鑑定士が一点ずつ丁寧に査定いたします。
真贋の判定はもちろん、時代・発行藩・保存状態などを総合的に判断し、誠実に評価いたします。
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