古銅「水盤花器」 買取実績

買取品名
古銅「水盤花器」
買取エリア
青森県弘前市
買取額

コメント
古銅「水盤花器」を買い取りました。

古銅「水盤花器」の概要


古銅製水盤花器(こどうすいばんかき)は、仏壇や床の間、茶室に花や盛花を生けるために用いられる器具で、青銅素材の深い色味と抑制された造形が特徴です。中国南北朝~唐宋期に起源をもち、日本では平安末期~鎌倉期に輸入され、室町以降は水指代わりや香炉台としても流用された稀少な骨董品です。



歴史的背景と用途の変遷


古銅花器は元来、仏前への供花用具として寺院で制作・使用されました。中国では仏具工房の氧化銅鋳造技術が成熟し、装飾を抑えた円形・長方形・盤形の水盤が多数作られました。日本へは遣唐使や貿易商を通じて渡来し、床の間や茶人の住居で花器として珍重されました。



素材・鋳造技法と特徴


主素材は銅・錫・鉛を配合した青銅合金で、夾砂鋳造(きょうさちゅうぞう)や失蝋鋳造(しつろうちゅうぞう)によって成形されます。鋳型継ぎ目の消し込みや鋳巣(いきあな)の自然な残存が本物の証し。器面は長年の使用による緑青(ろくしょう)の微細な色調変化と、器形を引き立てる渋い艶感を示します。



形状分類と意匠


代表的な形式には、浅い盤形(平盤)・深型の鉢形・縁に耳把手を持つ片口型などがあります。装飾は最小限に抑えられ、縁や台座にのみ簡素な雷文・雲紋を線刻する程度。器形の均整と鋳肌の質感が鑑賞価値を高めます。



真贋鑑定のポイント


真作鑑定では、鋳型継ぎ目跡の不規則さ、鋳巣や鋳流痕の分布、緑青の堆積層の厚み・色合いを観察します。また、底部の鋳放し口跡や銘文・印刻、来歴を示す箱書や古記録の有無も重要です。後世の復刻品は鋳巣が均一すぎ、緑青が人工的に塗布されたような点に注意が必要です。



市場価値と価格帯


平盤形の小型水盤は数十万~百万円前後が相場。深型や耳把手付の稀少形式、大型品は百万円~数百万円、来歴書付・寺院旧蔵品では千万円超となる例もあります。保存状態の緑青の美しさや鋳造時期の希少性が価格を決定します。



保存・取扱いの注意点


古銅器は緑青の保護膜を尊重しつつ、過度な清掃で剥落させないことが重要です。展示・保管は湿度40~60%、温度20℃前後の安定環境が理想。埃は柔らかな馬毛筆で優しく払い、化学薬品や強い研磨剤の使用は厳禁です。



鑑賞・展示のコツ


花器として生花や枝物を生ける際は、水平面に並べた水盤に直接水を張り、花材の自然な姿を活かします。インテリアとしては、間接光を当てて器形の陰影と鋳肌の質感を浮かび上がらせ、銅と緑青のコントラストを楽しむと効果的です。



まとめ


古銅「水盤花器」は、東アジア青銅鋳造技術と仏教供具の伝統が融合した稀少な骨董品です。素材・技法・意匠・鋳造痕・緑青・来歴を総合鑑定し、適切に管理・展示することで、その歴史的・美術的価値を次世代へ継承できます。



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