四代中村宗哲(利休型大棗) 買取実績

買取品名
四代中村宗哲(利休型大棗)
買取エリア
愛知県半田市
買取額

コメント
茶道具の四代中村宗哲(利休型大棗)の買取いたしました。

四代中村宗哲(利休型大棗)の概要


四代中村宗哲(なかむら そうてつ、1873–1945年)は、漆芸界における名門・中村家の四代目当主で、表千家喜々斎に師事し千利休好みの茶道具を復興・創作したことで知られます。特に「利休型大棗」は、茶席の格式と侘び寂びを体現する漆器として高い評価を得ています。



利休型大棗の意匠と特徴


利休型大棗は、千利休が好んだ簡素かつ調和のとれた形状を踏襲した大棗(薄茶器)。肩が緩やかに張り、胴部は丸みを帯び、蓋と身の継ぎ目は目立たず一体感があります。四代宗哲はこの基本形を尊重しつつ、漆芸としての質感・艶の深さを極めました。



技法・素材の特色


素材には厳選された国産槐(さいかち)や栃木県産の木地を用い、数十回の下地漆塗りと研ぎ出しを重ねる本堅地仕上げを採用。上塗りには純金粉を控えめに蒔かず、黒檀のような深い黒の漆面に天然漆特有の光沢を与えます。縁・底周りは朱漆を薄く塗り、口縁の平滑さと内面の木地目を際立たせます。



作家性と款識


四代宗哲の作品には、内蓋裏に朱漆で「宗哲造」または「宗哲」の落款が施されます。書風は流麗ながら芯の通った筆跡で、朱粉と漆との馴染み具合が真作の証。共箱には内外蓋裏に「利休型大棗 四代宗哲造」と箱書きし、仕覆には表千家御家元の朱書も添えられることが多いです。



真贋鑑定のポイント


真作判定では、漆面の艶と厚み、研ぎ跡の滑らかさ、金粉蒔かずの自然な漆黒、内面の木地目の見え方を観察します。朱漆の層が浅く剥がれやすい箇所の様子、蓋裏の款識の筆圧と朱色の深さ、箱書きの筆跡・木箱年輪分析も重要です。



来歴と保存状態


茶道具として流通したものは、茶席使用痕や薄い茶渋が内面に残る場合がありますが、これも茶道具としての風格を示します。状態の良い完全品は、漆面のひび割れや補修痕がなく、共箱・仕覆・洗い直し記録が揃っているものです。



市場価値と価格相場


四代宗哲の利休型大棗は、共箱・仕覆完備の逸品で100万〜200万円台が相場。使用感薄く極上の保存品は300万円前後、仕覆や箱書きに御家元の朱書があるとさらに高値となります。



茶席での活用とコレクション性


利休型大棗は、四季を問わず薄茶席で用いることができ、茶席の主役を引き立てる器です。複数点揃えて茶会や飾り棚に陳列すると、宗哲家の歴代作風の変遷を感じるコレクションとしても楽しめます。



保存・取り扱いの注意点


漆器は直射日光・高温多湿を嫌い、湿度50%前後・室温20℃前後で管理します。使用後は柔らかな布で乾拭きし、強い洗剤は避けてください。箱・仕覆に収め、長期保管時は防湿剤を併用し漆面の劣化を防ぎます。



まとめ


四代中村宗哲の利休型大棗は、千利休の侘び寂び精神と現代漆芸の技巧が融合した名品です。形・漆面・款識・来歴を総合的に鑑定し、適切に扱うことで、その美術的価値と茶道具としての格を末永く保つことができます。



愛知県で骨董品買取をご検討されているなら出張買取・高価買取の古美術寿永堂にご相談ください。

鑑定のご相談、
お待ちしております!

お電話でのご相談・鑑定依頼

電話買取簡易査定が可能ですので、まずはご相談ください。

0120-13-6767

鑑定依頼メールフォーム

出張鑑定や持ち込み鑑定のご依頼はメールフォームからも受け付けております。お気軽にご連絡ください。

メールフォームはこちら

LINEで簡単査定

LINEで簡単に査定が可能になりました。

友だち追加 LINEQR

多くの士業関係の方からも御依頼を頂いております。お気軽にご相談ください。