手巻き七宝縁取り置時計 買取実績

買取品名
手巻き七宝縁取り置時計
買取エリア
兵庫県明石市
買取額

コメント
手巻き七宝縁取り置時計を買取させていただきました。






手巻き七宝縁取り置時計の骨董的価値



概要と定義


手巻き七宝縁取り置時計は、文字盤周囲やケース外周に七宝(エナメル)の縁取り装飾を施し、手巻き機構を内蔵した卓上時計です。明治以降の洋時計輸入・国産化の流れの中で、時計精工と和工芸を融合させた輸出向け高級品として制作されました。骨董品としては、手巻きキャリバーの機械美と七宝装飾の華やかさが評価ポイントとなります。



七宝技法の歴史と特色


七宝は古代中国起源とされ、透光性・発色性に優れたガラス質の装飾技法です。日本では明治期に東京・京都を中心に輸出向け工房が設置され、西洋製時計ケースに七宝縁取りを施すことで欧米市場に高く評価されました。七宝の釉薬層は微細な金属粉とガラス質の融合によるため、焼成温度やムラが制作技術の真価を示します。



手巻き機構の意匠と実用性


手巻き機構は自動巻時計が登場する前の標準的な駆動方式で、毎日ゼンマイを巻き上げる儀式的行為が時計使用の楽しみでした。骨董品としては、ムーブメントの刻印(製造メーカー、シリアル番号)、軸受の状態、テンプ・ガンギ車の焼き付きや摩耗の有無が価値を左右します。オリジナルの錘バランスやビーム形状が残る個体は良好な評価を得ます。



デザインと装飾の特徴


七宝縁取りは文字盤や裏蓋、時には側面ベゼルにも施され、色絵や金彩を併用する例があります。文様は植物文・鳥獣文・幾何学文様など多彩で、文字盤自体にも七宝技法でローマ数字や飾り文字が描かれることがあります。装飾の均一さ、金属地との接着強度、七宝表面の光沢と透明度が美術的評価の要です。



製造時期と来歴の判定


製造年代は時計ムーブメントの刻印年代と七宝装飾の焼成技法、ケース裏面のホールマーク(金工刻印)などを総合して判定します。明治末〜大正期の国産七宝置時計は流通数が少なく、海外向け輸出正規ルートを示す鉛シールや共箱が付属するものは来歴裏付け資料として高く評価されます。



保存状態と評価ポイント



  • 七宝層のひび割れ・剥落がないか

  • ムーブメントのオーバーホール歴と動作精度

  • ケースの腐食・変色の有無

  • 文字盤・針のオリジナル性(リダイヤルや針交換の有無)

  • 共箱・取扱説明書など付属品の完備度



市場価格の目安


保存状態や製造時期、付属品の有無によって変動しますが、おおよその相場は以下の通りです。

・明治〜大正期オリジナル(七宝完全・ムーブ良好):100万円〜250万円

・大正〜昭和初期(小傷・一部補修あり):50万円〜100万円

・昭和中期以降の模造品(保存良好):20万円〜50万円



保存と取り扱いの留意点


七宝は急激な温度変化や衝撃に弱いため、展示・保管は直射日光を避け、温度20℃前後・湿度50%前後の安定した環境が望ましいです。手巻き機構は定期的なオーバーホールが必要で、時計師による分解清掃と注油で長期的な動作維持を図ります。ケース金具や文字盤に触れる際は、指紋防止のため手袋を着用すると良いでしょう。



まとめ


手巻き七宝縁取り置時計は、七宝細工と時計機構の技術が結合した稀少価値の高い骨董品です。製造年代、七宝装飾の完成度、ムーブメントの状態、来歴資料の有無が評価を決定し、特に明治末期〜大正期の完全オリジナル品は高額取引の対象となります。今後も和洋技術融合の象徴として、コレクターから注目を集め続けることでしょう。






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