掛軸 董邦達(とうほうたつ)山水立軸 買取実績

買取品名
掛軸 董邦達(とうほうたつ)山水立軸
買取エリア
兵庫県尼崎市
買取額

コメント
中国古書画 掛軸 董邦達(とうほうたつ)山水立軸を買取させていただきました。





董邦達 山水立軸の骨董的価値



概要


董邦達(とうほうたつ、1901–1974)は近現代中国画壇を代表する画家の一人で、日本にも多くの作品が伝わっています。本作「山水立軸」は、瀟洒な山水風景を縦長の掛軸形式で表現したもの。墨と淡彩を巧みに融合し、淡い霧気の中に山川や小舟を配した清雅な構図が特徴です。



董邦達の略歴


董邦達は浙江省出身。上海美専や東京美術学校(現東京芸大)で学び、帰国後は伝統と現代感覚を融合させた画風を確立。中国美術展で数々の賞を受け、文化大革命期を経て再評価されました。日本では日中友好の一環として招へいされ、個展も開催されています。



山水画の主題と構図


本軸は高い峰々を背後に、手前に流れる小川や古木、舟を配した三段構図。中景と遠景の対比を墨の濃淡で表現し、空間の深がりを感じさせます。全体に軽やかな余白が多く、観る者に抒情的な余韻を残します。



画風と筆致


董邦達の筆致は、伝統的な水墨山水の流れを汲みながらも、線に濃淡をつけた現代的なリズム感が特徴。細筆で細密に描く樹木や屋根瓦と、大筆で勢いよく引く山肌のテクスチャーが対比的に配置されています。淡彩部分は淡い群青や赭色を薄く刷毛でかすれ気味に施し、墨色の透明感を引き立てます。



款識と印章


軸右下には「董邦達画於上海」「癸丑年夏」などの款識と、朱文・白文の印章が二顆。書体は行書で軽快な筆跡を見せ、印章は画家自ら彫ったものと伝わります。款識と印章の位置・大きさ・鮮明さは真贋判定や制作時期の裏付けに重要です。



表装(軸装)の特徴


本作は絹本に薄茶地の中廻しと薄肉綴錦の上下裂を用いた本表具仕立て。軸先は唐木製で、風帯は共裂と同柄の唐織裂。裏打ちは麻紙による重ね裏打ちが施され、保存と緊張感を両立させています。



骨董的評価ポイント



  • 〈画技〉墨の濃淡、筆線の生き生きとしたダイナミズム

  • 〈款識・印章〉真筆・画家箱書きとの整合性

  • 〈表装〉古裂の質、裏打ちの補修歴の有無

  • 〈紙本・絹本の状態〉ヤケ・虫損・シミの程度

  • 〈来歴〉旧蔵家記録、展覧会図録掲載、鑑定書の有無



市場価格の目安


董邦達の山水立軸は、保存状態良好・真筆確認済・表装無補修のものが300万~600万円程度で取引されることがあります。軽微なシミや小修理歴があるものは150万~300万円、表装大補修や来歴不明の場合は50万~150万円が相場です。



保存管理の留意点


掛軸は直射日光や乾燥に弱く、湿度50~60%、温度20℃前後の環境が望ましいです。長期展示は避け、使用後は裏打ちの張替えや表具の専門メンテナンスを行うと、美術的価値を維持できます。



まとめ


董邦達「山水立軸」は、近現代中国画の名匠による墨彩山水の傑作です。制作技法、款識、表装、保存状態、来歴の全てが揃うことで真の骨董的価値が発揮されます。優品は国内外のコレクターや美術館で高額取引され、今後も中国近代絵画の重要作品として評価が高まることでしょう。






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