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木根台(こねだい)は、古木の根部や瘤(こぶ)を切り出し、磨き上げて彫刻的に仕上げた台座です。盆景や壺飾り、書画や香炉の台として用いられ、自然美と彫工の技術が融合した工芸品として評価されます。
木根台は中国宋代に起源を持ち、文人趣味の一端として発達。日本には室町時代に伝来し、茶道具や掛物の台座として茶人に愛用されました。近代以降は文人趣味のインテリアとして再評価されています。
素材は紫檀、黒檀、桂(けい)、欅(けやき)など堅木の根部。樹種の木目や瘤の形状、年輪の詰まり具合が選定基準となり、瘤の自然な造形を生かすことが最も重要視されます。
原木から粗彫り→中彫り→仕上げ研磨の順に加工。鉋(かんな)や鑿(のみ)を駆使して瘤の形を際立たせ、最後に砥粉(とのこ)で丹念に磨き上げ、木目を深く盛り上げる独特の光沢を出します。
意匠は瘤の自然形を活かす「擬石造形」、太鼓型や亀甲型など伝統型、あるいは抽象的な自由形。高さや幅は飾る品物との相性で選び、視線を引き立てる構図が求められます。
古い瘤材を用い、名工の手による木根台は30万~100万円以上。無銘良材品は10万~30万円、現代作家物は5万~20万円が相場となります。
乾燥しすぎると割れが入るため、湿度40~60%の室内で管理。直射日光やエアコン風を避け、柔らかな布で軽く乾拭きし、年に一度ほど蜜蝋ワックスを薄く塗布すると良好に保てます。
木根台は自然と人の技が一体化した工芸品であり、瘤の質感、彫技、保存状態、来歴の四要素が価値を左右します。骨董市場では希少材・名工作が高額で取引され、今後も文人趣味の逸品として注目され続けるでしょう。
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