洋画家 熊谷守一「ばら」 買取実績

買取品名
洋画家 熊谷守一「ばら」
買取エリア
沖縄県浦添市
買取額

コメント
洋画家 熊谷守一「ばら」を買い取りました。





熊谷守一「ばら」の骨董的価値



概要


熊谷守一(くまがい もりかず、1880–1977)は「日本のピカソ」と称される洋画家で、簡潔で詩的な画風が特徴です。代表作「ばら」は晩年に描かれた一連の花の習作の一つで、素朴かつ鮮やかな色彩と、余白を生かした構図が魅力です。骨董的には作品の制作年、署名、画面状態、額装や来歴が評価基準となります。



熊谷守一の略歴


1880年東京生まれ。東京美術学校で洋画を学んだ後、モダンアートから離れ、対象を極限まで単純化する独自の画風を確立。1963年に文化勲章受章。花鳥画をはじめ、とりわけ色彩の透明感と線の抑制された表現が高く評価され、国内外でコレクターの注目を集めました。



「ばら」の特徴


本作「ばら」は、紙またはキャンバスに水彩や油彩で一輪のばらを描いた小品。花弁は厚塗りせず、筆のタッチを残したまま淡いピンクや紅色を用い、背景をほとんど白地のままにして花の存在感を際立たせています。余白の使い方は余情を生み、観る者に想像の余地を与えます。



制作技法と素材


使用画材は淡彩を得意とする水彩または薄塗りの油彩。下絵を最小限に留め、直接筆を走らせるスケッチ感覚の表現が特徴です。紙製の場合は和紙や水彩紙、キャンバス張りの場合は麻布地にジェッソを下塗りし、絵具の発色を高めています。署名・年記は画面右下に墨または青緑色で記されることが多いです。



骨董的評価ポイント



  • 署名・年記:熊谷守一の肉筆署名と制作年の有無・鮮明さ

  • 画面状態:シミ・退色・ヤケ・虫穴・絵具剥落の有無

  • 額装の質:制作当時の額縁かどうか、マットや裏打ちのオリジナル性

  • 来歴・証明:所蔵画廊や展覧会図録掲載履歴、鑑定書の有無

  • 技法的完成度:線描の抑制度、余白の美学、色調の鮮やかさ

  • 希少性:同時期の花の習作群との比較における本作の位置づけ



市場価格の目安


小品の「ばら」では、署名・年記付きかつ良好な保存状態のものが300万~600万円が相場。署名が明瞭でも画面にシミやヤケがある場合は150万~300万円、裏打ちや額装の劣化が著しいものは100万~200万円になることが多いです。証明書や来歴が揃うと1.2倍程度のプレミアムが付くことがあります。



保存と取り扱い


水彩画は乾燥や紫外線に弱く、UVカットガラス装着の額縁に入れ、直射日光を避けた室内で管理。湿度は50%前後・温度20℃程度を維持し、定期的に額の裏板を外して通気を行うと良好に保たれます。和紙の場合は虫食いに注意し、防虫剤を併用してください。



まとめ


熊谷守一「ばら」は、作者の詩情あふれる筆致と簡潔な構図が光る名作です。署名・年記、画面状態、額装、来歴、希少性の五要素が揃うことで、骨董的価値が最大化します。コレクターやギャラリーから高い注目を集め、将来にわたり資産価値を維持し続ける逸品と言えるでしょう。






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