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三浦竹泉(みうらちくせん)造の煎茶器「竹泉盃」は、明治末期から昭和期にかけて活躍した陶芸家・三浦竹泉が手掛けた煎茶用の小杯(盃)です。竹泉の雅号にちなみ、自然の竹材を模した意匠や、しっとりとした黒釉・鉄釉のうつろいが魅力で、茶席や煎茶コレクションの名品として知られています。
三浦竹泉(本名三浦重太郎、1879–1954)は京都生まれの陶芸家で、京焼の技巧を背景にしつつ鉄釉・黒釉の研ぎ澄まされた表現を追求しました。文人趣味を重んじ、茶陶や文具、香炉など多彩な作品を制作。特に煎茶器では、竹泉盃をはじめとする「竹泉焼」シリーズが高い評価を受け、国内外の茶人から支持を集めました。
竹泉盃は高温還元焼成を基本とし、素地には京焼用の高粘土を使用。竹節文や葉文は胎土に直接彫り込み、黒釉を掛けて仕上げます。焼成中に釉薬中の鉄分が溶け出し、独特の斑文(流れ斑)が胎土表面に浮くのが竹泉特有の技法です。
保存状態が極めて良好で共箱・栞付きの完全品は80万円~150万円が相場です。小さなチップや軽度の釉浮きがある場合は40万円~80万円、箱が欠/来歴不明の品は20万円~40万円程度で取引されます。
鉄分を含む黒釉は急激な温度変化で貫入が広がるため、使用時は熱湯急冷を避けます。保管は湿度50~60%、直射日光を避けた場所で。共箱は湿気を吸いやすいので、防湿剤を併用すると良いでしょう。
三浦竹泉造の竹泉盃は、黒釉と鉄斑が織り成す静謐な美と文人趣味を凝縮した煎茶器です。落款・共箱・栞の有無、釉調と文様の完成度、保存状態から評価が決まり、優品は骨董市場で安定した高額取引が行われています。煎茶文化と京焼の魅力を伝える逸品として、今後も高い価値を保ち続けることでしょう。
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