般若心経彫銀瓶 買取実績

買取品名
般若心経彫銀瓶
買取エリア
大阪府泉南市
買取額

コメント
般若心経彫銀瓶 を買い取りさせていただきました。

般若心経彫銀瓶の概要


般若心経彫銀瓶(はんにゃしんぎょうちょうぎんびん)は、純銀製の容器表面に「般若心経」の全文を彫刻し、持ち手や蓋摘みにも梵字や蓮華文をあしらった茶道具・工芸品です。銀の優しい光沢と経文の緻密な線刻が調和し、香水や浄水を入れる香合的用途から、茶席でのさし水として、また法具として幅広く用いられます。



歴史的背景と仏教工芸


銀器に経文を刻む風習はチベット密教や東アジアの仏具伝来に端を発し、中国明・清期の銀仏具に遡ります。日本では江戸後期以降、茶道具や香道具へ応用され、明治以来の洋銀思想を取り込んだ銀工家が「般若心経銀瓶」を制作。禅僧や茶人への贈答品としても珍重されました。



素材と製作技法


本作例は銀99%以上の純銀材(Ag999)を鏡面に仕上げた後、表面に下絵を描き、彫金刀と鏨(たがね)で経文を一字ずつ深彫りします。彫り跡には硫化着色をほどこし、線刻を黒く引き締める「黒線彫り」を採用。蓋摘み・持ち手金具は赤銅象嵌で飾り、銀との微妙な金色コントラストを生み出します。



意匠と文様の配置


瓶胴部に螺旋状に配した般若心経全文の周囲には、蓮華文や雲龍文の帯状枠を配し、蓮台に乗る仏身を想起させます。瓶口部には種子字「バン(卍)」を象った摘み、底裏には制作者印と「奉納」「南無妙法蓮華経」の刻印が入り、仏具的格調を高めています。



真贋鑑定のポイント


真作を見分けるには、銀刀彫の刀痕の揺らぎ、線刻の深さ・幅の均一性、硫化着色の経年ムラを観察。刻印の書体・深さ、裏底の銀純度刻印(Ag999)や作家サイン、製造証明の共箱・来歴書付も重要です。後補現代作は線刻が浅く均一、硫化が均質すぎる点に注意します。



市場価値と価格帯


純銀製の般若心経彫銀瓶は作家・時代・来歴で価格変動が大きく、無銘の現代作は30万~80万円程度、著名銀匠作や明治期洋銀流行期作例は100万~300万円。共箱・証明書・伝来記録が揃う完全品は500万円超になることがあります。



保存・手入れの注意点


銀製品は硫化黒変を避けるため、使用後は柔らかな綿布で水滴や指紋を拭き取り、専用の銀磨きクロスで軽く光沢を整えます。湿度50%前後・温度20℃前後の環境で保管し、乾燥しすぎると経文の硫化膜が変質しやすいため、密閉袋やシリカゲル併用がおすすめです。



鑑賞と用途の提案


茶席では柄杓で水を注ぎ、銀瓶の経文が湯気越しに浮かび上がる趣を楽しみます。法具として用いる場合は、仏前の香水瓶や供水瓶として設置し、経文の力を借りて清浄な礼拝空間を演出できます。インテリアとしても、茶室や書斎の飾棚に経文面を正面に据えると、静謐な雰囲気が高まります。



まとめ


般若心経彫銀瓶は、純銀素材の質感と仏教経典の言霊を刻む彫金技法が融合した稀少な工芸品です。素材・技法・意匠・刻印・来歴・保存状態を総合的に鑑定し、適切に扱うことで、その歴史的・宗教的・美術的価値を次世代へと継承できます。



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