良渚文化獣面紋玉綜買取実績

買取品名: 良渚文化獣面紋玉綜

買取エリア: 兵庫県伊丹市

買取額

コメント: 良渚文化獣面紋玉綜を買取させていただきました。

概要

今回お買取りしたのは、中国・新石器時代後期の高度な玉文化として知られる「良渚文化（りょうしょぶんか）」に属する獣面紋の玉綜（ぎょくそう）です。良渚文化は約5,000年前の長江下流域で栄え、精緻な玉器を特徴とする世界的に重要な古代文化として広く認知されています。

その中でも、獣面紋（ししめんもん）を施した玉器は王権・祭祀に結びつく特別な造形を持ち、近年、学術的価値と市場価値が急速に高まっているジャンルです。今回の玉綜は、良渚文化玉器の典型とされる獣面文様が明瞭で、素材・加工痕・経年変化いずれも時代性を強く示す大変興味深いお品でした。

特徴

今回の獣面紋玉綜には、良渚文化玉器の核心的特徴が多く確認されました。玉綜（玉佩・玉組に近い造形）は装飾性の高い玉器で、獣面文様を刻む高度な加工技術が必要とされるため、古代玉の中でも希少性の高いカテゴリーです。

- 良渚文化の象徴である獣面紋が明瞭に刻まれる目・鼻・口・角などの意匠が抽象化された独特の文様。
- 硬度の高い玉材を用い、穿孔・研磨が丁寧良渚文化玉器の加工技術の高さを示す重要ポイント。
- 玉肌に経年の酸化・土沁みが自然に現れる古玉判断に不可欠な“沁み（しん）”の入り方が自然。
- 石英質の結晶が内部に見られ、時代性を裏付ける特徴。後加工のない自然な結晶構造が残る。
- 割れ・欠けが少なく、鑑賞性が高い良好な保存状態。新石器時代の玉器としては極めて良質なコンディション。

彫刻線が細く均一で、人工的な最新加工痕が見られない
本質的に重要な真贋ポイント。

これらの特徴は、良渚文化に典型的な祭祀用玉器の性格をよく示しており、高い美術的・学術的価値を持つお品でした。

骨董品としての価値

良渚文化の玉器は、近年の発掘成果と学術研究の進展により、「世界最古級の王権象徴玉」として高く評価され、国際市場でも注目度が上昇しているジャンルです。今回の獣面紋玉綜が高評価となった理由を以下に解説します。

① 良渚文化玉器という歴史的価値

良渚文化は、
- 高度な玉加工技術
- 独自の宗教観・王権象徴
- 精密な獣面紋の造形
を特徴とし、世界的な古代文化として認知されています。

特に獣面紋は、
権威を象徴する祭祀用意匠
支配層のみが使用した特別な玉器
として評価されており、玉綜のような装飾玉は極めて希少です。

② 獣面紋の出来による価値の違い

獣面紋には、
- 線刻の細密さ
- 彫りの均一性
- 文様の均整
- 顔の抽象度
などの評価基準があります。

今回の玉綜は、線刻が細く深く、古代玉ならではの“ゆらぎ”を残しつつ均整の取れた美しい彫りで、良渚文化玉器の特徴をよく捉えています。

③ 玉材（硬玉・軟玉）の質と経年変化

古玉の価値を決める要素として、
- 玉材の純度
- 内部結晶
- 経年の沁み（しん）
- 表面の光沢の変化
が非常に重要です。

今回の玉綜は、自然な変化が見られ、人工的な洗浄・再研磨の痕跡がほぼない点が高評価のポイントとなりました。

④ 古代玉で最重要となる「真贋性」

古代玉は真贋判定が最も難しいカテゴリーのひとつですが、今回の玉綜は、
- 穿孔内の古い摩耗
- 玉肌の沁みの自然さ
- 彫刻線の工具痕
- 風化の進み方
が良渚文化の特徴と一致し、時代性が強く感じられる内容でした。

⑤ 市場需要と希少性

良渚玉器は皿や碗ではなく、玉璧・玉琮・玉綜・玉佩といった祭祀用玉器が中心であり、現存数が非常に少ないため、骨董市場では常に高い需要があります。

今回のような“装飾性の高い小型玉器”は、海外コレクターからの人気が特に高く、評価が安定しています。

まとめ

今回お買取りした良渚文化獣面紋玉綜は、
・明瞭な獣面紋
・丁寧な線刻と均整の取れた造形
・自然な沁み・風化・玉肌の変化
・古代玉として理想的な素材と状態
・良渚文化玉器特有の祭祀性
・象徴性
といった条件を兼ね備えた、極めて評価の高い古代玉でした。

良渚文化の玉器は、歴史的価値・美術的価値・希少性の三拍子が揃った特別なカテゴリーであり、真贋判定には高度な専門知識が必要です。

「古い玉器の正体がわからない」
「獣面紋かどうか見てほしい」
「良渚文化なのか、後代の作品なのか判断したい」

といったご相談も、一点ずつ丁寧に鑑定し、適正な価値をご提示いたします。

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