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裏千家十四代・淡々斎(千宗室)自作の茶杓「虫の音」は、家元自身が作り銘を付した点で資料性と愛玩性を兼ね備えた茶道具です。淡々斎は裏千家の近代的普及に尽くした家元として知られ、その遺墨や自作道具は茶席資料としても注目されます。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
茶杓の銘「虫の音」は季節銘の一つで、秋の虫の音を詠んだ趣を茶席に呼び込むために用いられます。茶道における銘は席の季節感や主の心を示す短詩の役割を果たし、「虫の音」は初秋〜仲秋の風情を演出する定番の銘です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
淡々斎自作の茶杓は、竹材の選定・節取り・刳りの具合、銘の書き入れ方(短冊や筒裏の箱書)に家元の好みが反映されるのが特徴です。口造り(匙部)の切れ味、柄の手取り、節の自然な使い方など、手に取ったときの感触が鑑賞の重要ポイントになります。
真贋では(1)共箱・共筒・箱書の有無(箱書筆者の整合性)、(2)銘の筆致や書体の特徴、(3)素材の経年変化(煤竹なら虫食いや年輪の景色)、(4)下削り師の痕跡(有名下削り師が関与する場合その記載)を総合します。市中の出品例には「黒田正玄下削」といった記載が見られ、下削り師の有無が評価を左右することがあります。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
茶杓は竹・木材が主材のため乾燥や過湿で割れや反りが出やすいです。直射日光や過乾燥を避け、仕覆・共筒とともに平置き保管し、使用後は布で軽く拭って埃を払う程度に留めます。銘や箱書は来歴証明になるため、箱書は必ず保管してください。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
淡々斎自作の茶杓は来歴や状態により価格差が大きく、箱付・下削り師明記・保存良好なものは市場で高い需要があります。実際に「淡々斎・虫の音」銘の茶杓がオークションやフリマに出品される事例が確認され、作家性や下削り師表記で数万円~十数万円の幅があることが見られます。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
売買時は高解像度の全体写真、銘の拡大、底裏・筒裏・箱書の写真を必ず用意してください。来歴書(購入証明や共筒の箱書)を提示できれば査定精度が格段に上がります。疑義があるときは茶道具専門の鑑定者による実見を推奨します。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
裏千家十四代・淡々斎の自作茶杓「虫の音」は、家元作という来歴と季節銘の趣、下削りや箱書といった附属資料の有無で価値が決まる一点です。真贋確認は筆致・箱書・素材・下削り痕を総合的に行い、適切な保存と来歴提示が売買での信頼性を高めます。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
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