貿易銀 新1円銀貨 買取実績

概要

いずれも日本が国際貿易の中で貨幣制度を整備していった時代を象徴する重要な銀貨であり、今日では古銭コレクターや歴史愛好家の間で高い人気を誇ります。

明治政府は近代国家としての信用を確立するため、世界標準の銀貨を鋳造し、国内外で流通させました。その代表が「貿易銀」と「新1円銀貨」です。

今回のお品はどちらも保存状態が良好で、銀の光沢・打刻の明瞭さが際立つ逸品でした。

貿易銀・新1円銀貨の特徴

「貿易銀（Trade Dollar）」は、明治6年（1873年）に鋳造が開始された大型銀貨です。直径約38mm、重量27.22g、品位90％の銀を含み、主に清国（中国）や東南アジアとの貿易決済用に用いられました。

表面には桐紋の下に「貿易銀」と刻まれ、裏面には英語で “TRADE DOLLAR” の文字と銀の純度・重量が表記されています。

デザインの美しさと国際的な通用性を兼ね備えたこの銀貨は、明治日本の経済的自立を象徴する存在となりました。

一方、「新1円銀貨」は明治30年（1897年）の貨幣法改正以降に発行された1円銀貨で、それ以前の「旧1円銀貨」と区別するために「新1円」と呼ばれています。

表面には龍の意匠、裏面には旭日と桐花紋章が施され、精密な彫刻技術による立体感と輝きが特徴です。

新1円銀貨は金本位制導入後も一定期間発行され、国内流通用の銀貨として実用されました。

現在では、その美しいデザインと銀の質感から、貿易銀と並ぶ人気の高い古銭となっています。

骨董・古銭としての価値

貿易銀および新1円銀貨は、近代貨幣の中でも特にコレクター市場で高い評価を受けるジャンルです。

どちらも発行年代や刻印、製造所の違いによって希少性が変わり、以下のようなポイントが査定の重要要素となります。

• 発行年号（例：明治6年・明治8年・明治10年など）


• ミントマーク（造幣局の印）や打刻の深さ


• 銀の光沢・変色の有無・研磨の状態


• 保存ランク（未使用〜並品）


• 桐箱や鑑定書の付属有無

特に「貿易銀 明治10年」などは発行数が少なく、状態の良いものは市場でも高額で取引される傾向にあります。

また、新1円銀貨においても、打刻の美しい「深彫り」タイプや、鑑定済みのハイグレード品（PCGS・NGC認定）などはコレクターから高い需要があります。

これらの銀貨は、単なる金属貨幣ではなく、明治日本の産業技術・国際感覚を象徴する工芸的価値を持った作品としても評価されています。

まとめ

今回お譲りいただいた「貿易銀」と「新1円銀貨」は、いずれも明治時代の日本を象徴する近代銀貨であり、歴史的・美術的価値の両面で高く評価できるお品でした。

純銀の重厚な質感と精密な彫刻が見事に調和し、当時の造幣技術の高さを今に伝える逸品です。

寿永堂では、貿易銀・新1円銀貨をはじめ、大判小判・南鐐銀・古金銀・領国貨幣など、幅広い古銭・貨幣類の出張買取を承っております。

専門知識を持つ鑑定士が一点ずつ丁寧に査定し、時代・発行背景・保存状態を踏まえ、誠実に評価いたします。

古銭コレクションや旧貨幣のご売却をお考えの際は、ぜひ寿永堂へご相談ください。

大切に受け継がれてきたお品の真価を、次の世代へと確かに繋げてまいります。