金工作家物帯留め 買取実績

買取品名
金工作家物帯留め
買取エリア
山形県米沢市
買取額

コメント
金工作家物帯留めを買い取りました。

金工作家物帯留めの概要


金工作家物帯留めは、着物の帯を留める装身具として、金属加工の高い技術と作家の個性を結晶させた一点物の帯留めです。純銀・純金・金無垢・赤銅・銀赤銅象嵌など、多彩な金属素材を用い、鋳造・彫金・象嵌・透かし彫り・鎚起(ついき)など複数技法を組み合わせて精緻に仕上げられています。



歴史的背景と用途


帯留めは江戸後期から明治・大正期にかけて流行し、明治期には洋装用のブローチにも影響を与えました。特に大正浪漫期には、金属工芸家が西洋美術や民芸運動の影響を受け、装飾性豊かな作家物帯留めを多数創作。茶会や社交の装いに華やぎを添えるファッションアイテムとして愛用されました。



素材と下地処理


作家物帯留めの素材には、純銀や純金が多用されます。下地には錫引き(すずびき)や銀黒仕上げ(いぶし銀)を施して光沢を調節し、表面の色調に深みを与えます。鋳造品は砂型・失蝋鋳造後に研磨し、鎚起品は板状の銀・金を打ち延ばして形を作ります。



代表的技法と意匠


彫金では彫刻刀で線刻を施し、金線象嵌は細い銀線・金線を刻み溝に嵌め込む技法。透かし彫りは金属板を切り抜き、背景を抜くことで文様を浮かび上がらせます。鎚起は槌で金属を叩き起こして立体的な形状を作る技法で、草花文・流水文・抽象的フォルムなど作家の造形美が際立ちます。



作家と流派


著名作家には、河野秀峰(彫金象嵌)、岡野勝利(鎚起銅器)、三宅一正(彫金細工)、池永康晟(銀象嵌)が挙げられます。各作家は師匠筋の伝統技法を継承しつつ、モダンなデザインや素材の新しい組み合わせを追求し、国内外の展覧会でも高い評価を得ています。



真贋鑑定のポイント


真作判定では、裏面の作家落款印や刻印、純銀刻印(「純銀」「SILVER」)、金無垢品は「24K」刻印を確認。鋳造品は湯口跡や鋳巣の自然な残存、彫金の刀跡の揺らぎ、象嵌線の密着度、透かしの切断面の滑らかさで本物を見極めます。



市場価値と価格帯


無名作家の小型帯留めは数万円〜十数万円、著名作家の純銀象嵌や鎚起帯留めは50万〜200万円前後が相場。人間国宝級作家や金無垢モデル、貴石・瑪瑙象嵌など豪華仕様の逸品は300万〜500万円を超えることがあります。



保存・取り扱いの注意点


銀製品は硫化による黒変が進行するため、使用後は柔らかな布で汗・埃を拭き取り、専用の銀磨きクロスで軽く磨く程度に留めます。金無垢品は研磨を避け、湿度50%前後・温度20℃前後の安定環境で保管し、直射日光を避けてください。



鑑賞・装用のコツ


帯留めは帯の中心や脇にバランスよく配置し、帯紐や帯揚げの色と調和させると、金属の光沢がより際立ちます。展示では刺繍台や帯結びのマネキンに装着し、斜めからの光で透かしや彫金の陰影を楽しむと効果的です。



まとめ


金工作家物帯留めは、金属素材の美しさと作家の技が融合した総合工芸品です。素材・技法・落款・来歴・保存状態を総合的に鑑定し、適切に扱うことで、その歴史的・美術的価値を末長く楽しみ、次世代へ継承できます。



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