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銅鍍金小仏像一式は、銅製の素地に鍍金(めっき)技法を施し、複数の仏像をセットにした仏教工芸品です。観音菩薩像、地蔵菩薩像、大日如来像などが含まれ、寺院の什器や個人の仏壇装飾として用いられます。小型でありながら細密な彫出と金色の輝きが魅力で、骨董品としては鍍金の残存度、彫刻の精緻さ、時代背景、保存状態、来歴資料が評価ポイントとなります。
銅鍍金仏像は、平安末期から鎌倉期にかけて日本で盛んに制作されました。朝廷や寺院が唐・宋の青銅仏から技術を取り入れ、独自の鍍金技術を発展。鎌倉時代以降、禅宗寺院や地方の堂塔にも普及し、江戸期には加速的に量産化が進み、民間にも広まりました。
各仏像は、定印や法衣の摺犁文、蓮華台座など仏典に基づく典型的な姿勢を表現します。観音像は千手観音の千手手先を省略してシンプル化、地蔵像は錫杖を手に安置、如来像は宝珠と蓮花座で荘厳。小型化に伴い細部を象嵌や彫金で補い、鍍金層の陰影を活かした立体感ある仕上がりが特徴です。
江戸期の寺院旧蔵真作級小仏像一式は、保存良好・来歴明確品で200万~500万円が相場。無銘量産品は一体10万~30万円、三体揃いで50万~100万円程度です。作者銘がある伝統鋳金師作例や、千手・十一面など特殊形態を含むものは100万~300万円以上となる場合があります。
銅鍍金仏像は、過度の緑青や錆を景色として評価する一方、金層剥離は避けるべきです。室温20℃前後・湿度40~60%の安定した環境で保管。埃は柔らかな筆か綿布で軽く払い、化学薬品は用いず、必要に応じて専門家による修復と防錆処置を行うと長期保存に適します。
銅鍍金小仏像一式は、素材・鍍金層・彫刻・保存状態・来歴資料の五要素が揃うことで骨董的価値を最大化します。仏教美術の伝統と技術を物語る宝物として、古美術商や寺院関係者、コレクターから今後も高い評価を受け続ける逸品と言えるでしょう。
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