鳳凰紋 鏡 買取実績

買取品名
鳳凰紋 鏡
買取エリア
福井県敦賀市
買取額

コメント
鳳凰紋 鏡を買い取りました。

鳳凰紋鏡の概要


鳳凰紋鏡は、鏡の背面(裏面)に鳳凰(中国神話の瑞鳥)を象った文様を鋳出・彫刻・浮彫りした銅鏡や青銅鏡です。中国の漢~唐~宋を経由して日本に伝来し、奈良・平安期には宮廷や寺社の儀式用鏡として重用されました。鳳凰は平安京の守護神としても崇められ、吉兆を招く象徴として鏡背に用いられました。



歴史的背景と文化的意義


古代中国では鏡は「天の象徴」とされ、背面に神獣文様を鋳込むことで霊力を宿す呪物と見なされました。日本でも飛鳥~奈良期に国産鏡の技術が確立し、律令制下の朝堂院や大伴氏・蘇我氏ら有力貴族の儀礼に鳳凰鏡が用いられ、国の重要祭祀や天皇即位儀礼に欠かせない調度品となりました。



素材・鋳造技法の特色


鳳凰紋鏡は銅・錫・鉛を配合した青銅合金で作られ、砂型鋳造や失蜡鋳造により成形。鋳出後は鏡面を磨き込み、背面は鋳型により凹凸を表現する「浮彫鏡」や、鋳出の後に鏨(たがね)で彫りを深める「高浮彫鏡」があります。鏡縁には鋸歯文や雁唐草文を巡らせ、文様の輪郭を強調します。



鳳凰文様の意匠と象徴


背面中央には頭部を左右に開いた翼と尾羽を広げた鳳凰がレリーフされ、周囲に連珠文や雲龍文を配して天翔る様を演出します。鳳凰は「鳳は雌、凰は雄」とされ、繁栄と平和、王権の正当性を象徴。宮廷鏡には双鳳図や鳳凰瑞祥文が好まれました。



真贋鑑定のポイント


真作判定では、鋳肌の粗微差、鋳巣(鋳型内の気泡痕)、鏨跡の自然な深さ、文様の線幅のゆらぎを観察。鏡面の金属光沢は磨耗・経年による微細なキズや黒色酸化膜の付着具合が、本物の証拠となります。銘文や鋳刻の字体・位置、裏面の鋳模継ぎ目の一致度も鑑定要素です。



市場価値と価格帯


古代鏡は出土地や製作年代、保存状態で大きく値が変わります。漢鏡や三角縁方格規矩鏡の鳳凰文様品は数百万円~千万円規模。日本製平安期鏡は数十万~百万円台が相場です。完全無傷の鏡面・鏡背、来歴を示す出土報告書や収蔵証明がある個体は高値を呼びます。



保存・取り扱いの注意点


青銅鏡は緑青(ろくしょう)の進行で文様が失われるため、乾燥環境(湿度40~60%)で保管。埃は柔らかな筆で払う程度に留め、化学薬品や研磨剤による鏡面研ぎは厳禁です。展示はUVカットガラス越しの間接光で行い、直接手で触れないように手袋を着用します。



鑑賞・展示のコツ


鏡面と鏡背を別々にライトアップすると、金属光沢と文様浮彫の陰影が際立ちます。展示台にはアクリル支柱を用い、鏡面を観る角度を変えられるよう回転台を設置すると、鏡背の装飾美を余すところなく楽しめます。



まとめ


鳳凰紋鏡は、古代の鋳造技術と神話的意匠が融合した稀少な骨董品です。素材・技法・文様・来歴・保存状態を総合的に鑑定し、適切に整理・展示・保管することで、その歴史的・美術的価値を次世代へ継承できます。



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