堀文子は1918年7月2日に東京で生まれた、日本を代表する画家です。2019年2月に100歳で亡くなりました。女子美術専門学校を卒業し、日本画家の道に進みました。昭和42年からは、神奈川県大磯町にアトリエを持ち制作活動を行いました。活動の場所はアトリエだけにとどまらず、海外にも目を向け、好奇心のおもむくままに動いてきました。
例えば70歳でイタリアのトスカーナに移住して自然を観察したり、77歳でアマゾンに行ったりしました。ペルーやヒマラヤ山麓、ネパールといったところにも精力的に出掛けて絵画のインスピレーションを得ては、作品を制作しました。夫が亡くなってからは、ずっと独身として活動を続けました。インスピレーションを得るために、なるべく1カ所にとどまらないことを心がけて生きてきた人です。
日本絵画はもちろん、絵本に利用されている原画も手掛けています。画文集では、「堀文子画文集、命といふもの」、絵画では「霧氷」や「蓮」といった作品があります。自然を見たり、生活する中で感じる命を作品に表現したりしている堀文子の絵は、見る人をひきつけています。目で見える樹木、植物や花が題材のものも多いですが、目に見えないものも描かれています。その一つがミジンコです。美しいと思ったものを何でも表現し、美を追い続けました。
晩年も精力的な活動を行った堀文子は、筆を持つのがつらい時には切り絵を楽しむこともありました。しかし展覧会などを定期的に開催したり、書籍を出版したりと、人々に瞬間の美を切り取ったかのような作品を見せてくれました。絵画だけではなく、言葉の中にも人柄が表れているものがたくさん残されています。
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