乾隆帝の概略
乾隆帝は、清の第6代皇帝。
諱は弘暦(こうれき)、廟号は高宗(こうそう)。
在世時の元号の乾隆を取って乾隆帝と呼ばれています。
清王朝(清朝)は、日本では江戸時代の初めにあたる天命元年(1616年)、中国・満州において、前身である金(後金)が建国され、崇徳元年(1636年)に清に国号が改められました。その後、順治元年(1644年)に明王朝が滅ぶと、北京へと遷都を行い、1912年まで中国やモンゴルを支配する最後の統一王朝となっています。
中でも康煕帝(こうきてい)(1661~1722)、雍正帝(ようせいてい)(1722~35)、乾隆帝(けんりゅうてい)(1735~95)の三人の皇帝の時代には、国内での農業、商業の発展によって経済が活発化し、国力が増強されて、対外貿易についても頻繁に行われるようになり、文化的にも大きな発展を遂げています。
そんな清の最盛期が、第6代・乾隆帝の時代です。乾隆帝は12代にわたって続いた清の歴史のなかで60年もの長期政権を布き、生没年も1711~1799年と、数えで89歳の長寿にも恵まれました。
乾隆帝は数多くの漢詩を作る詩人の素養もあり、中国の伝統的な文学を奨励した。その象徴が「四庫全書」である。全国から古今の書物を集めて4部(四庫)に分け、書き写して保存した。その数、全3462種、7万9582巻と相当な数の書物をまとめています。
清朝の工芸についても技術的に高度な発展を遂げおり、なかでも陶磁器については、官窯(かんよう)とよばれる王朝直属の陶磁窯(とうじよう)において、優れた作品が数多く生み出されています。
中でも乾隆帝の時代に作られた、陶磁器は良質なものが多いといわれています。
乾隆帝の時代の作品には大清乾隆年製と記されています。
大清乾隆年製とは、乾隆年間の間に官窯で作られた陶磁器の裏に記され、当時の王朝と、皇帝の名前で構成されています。他にも「大清〇〇年製」や「大明〇〇年製」などがあり、これらの銘を年款銘と言います。大清乾隆年製の真作の製品はほとんどは美術館に収められています。稀に、旧家の蔵などから発見される場合もありますが、本当に稀なことです。
>
中国美術買取ページはこちら