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自宅にある油絵を見て、「これは売れるのだろうか」「どれくらいの価値があるのか」と気になった経験はありませんか。画廊で購入したもの、贈答品でもらったもの、あるいは遺品整理で出てきた作品など、油絵を売りたいと考える理由は人それぞれです。
しかし、絵画は他の骨董品や美術品と違って、その価値が極めて主観的に判断される分野でもあります。売却を成功させるには、作品そのものの評価基準だけでなく、正しい売却ルートや注意点を理解しておく必要があります。この記事では、油絵の買取相場、評価のポイント、高額買取につなげるコツを丁寧に解説します。
油絵は長い歴史の中で、最も評価されてきた絵画の形式です。画材としての油絵具は発色や質感の美しさが長く保たれるため、古くから多くの画家に愛用されてきました。保存状態が良ければ、数十年〜数百年前の作品でも市場価値を維持し続けることができます。
また、絵画作品は「この世に1点しかない」という特性を持っているため、作家の知名度や人気によって価格が大きく変動します。美術館に所蔵されているような画家の作品であれば、数百万円から数千万円で取引されることも珍しくありません。
一方で、無名の作家による作品や、量産された複製画、商業用に描かれたインテリアアートなどは、素材や大きさの割に価値がつかないケースもあります。
油絵の査定額は、いくつかの要素が複雑に絡み合って決まります。もっとも大きく影響するのは「作家名」です。すでに美術史に名前を残している著名な画家はもちろん、現在活躍中の現代作家であっても、展覧会や取引実績が豊富であれば、高額での買取が期待できます。
次に、「作品の状態」。キャンバスの破れやひび割れ、絵の具の剥がれ、カビや変色があると評価が下がります。特に油絵は湿気に弱いため、保管状態が悪いと劣化しやすく、それが査定に大きく響きます。
さらに、「サイズ」も重要な評価基準になります。大きな作品は存在感があり、展示目的での需要が高い分、買取額も高くなりやすい傾向があります。反対に、小作品やスケッチ、習作といったものは、同じ作家の作品でも相場が下がる場合があります。
油絵にはたいていの場合、右下または左下に作家のサインが入っています。この署名があることで、誰の作品なのかが特定しやすくなり、買取の際の大きな判断材料になります。ただし、サインがあるからといって本物とは限りません。
市場には模写や贋作も存在しており、とくに有名作家の名前が入っている場合は、専門の鑑定が必要になることもあります。買取業者によっては、第三者機関の鑑定書を求められるケースもあり、もし手元に鑑定書がある場合は、必ず一緒に提出しましょう。
また、真贋が不明でも、プロの査定士が「画風」「筆致」「技法」「画材」などから総合的に判断を行ってくれる場合もあります。そのため、まずは現物を見せることが第一歩になります。
絵画を売却する方法はいくつかありますが、もっとも安全かつ確実なのは「美術品買取に特化した専門業者」に査定を依頼することです。リサイクルショップやネットオークションでは、作家や作品の価値を正しく判断されないまま、低価格で取引されてしまうリスクがあります。
一方、絵画専門の買取業者は、市場での取引実績や美術館・コレクターとのネットワークを持っているため、相場に見合った価格での買取が可能になります。出張査定や宅配査定に対応している業者も多く、手間をかけずに査定から売却まで進められる点も魅力です。
事前に問い合わせを行い、対応の丁寧さや査定の根拠をしっかり説明してくれる業者であれば、安心して取引に臨めます。
油絵を高く売るために、ついクリーニングしたくなるかもしれません。しかし、素人が油絵の表面を拭いたり、額から無理に外そうとしたりすると、作品を傷つけてしまい、査定額が大きく下がることがあります。
また、額縁が古いからといって処分してしまうのも危険です。作品によっては額縁自体が価値の一部と見なされる場合もあるからです。査定に出す際は、なるべく購入時のままの状態で預けるようにしましょう。
油絵は、作者・状態・市場性といった複数の要素で価値が決まるデリケートな美術品です。そのぶん、正しい知識を持って、信頼できる専門業者に査定を依頼すれば、高額での売却も十分に可能です。
思いがけず高い価値を持つ作品が眠っている可能性もあります。「古いから価値がないだろう」と決めつけず、まずは専門の目で見てもらうことから始めてみてください。それが、油絵を適正価格で次の持ち主へ繋ぐ、第一歩になります。
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