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李朝青磁(りちょうせいじ)は、朝鮮半島の李氏朝鮮時代(1392年~1897年)に制作された朝鮮美術品の青磁器です。李朝青磁は、その透明感のある釉薬と優美なフォルムが特徴であり、中国の宋・元時代の青磁の影響を受けながらも、独自の美学を確立しました。特に小壺は、李朝青磁の中でも使用頻度が高く、保存状態の良いものは骨董市場で高額取引されることがあります。
李朝青磁の最大の魅力は、その釉薬にあります。透明感のある淡い青緑色の釉薬は「翡色(ひいろ)」と呼ばれ、中国の青磁とは異なる独特の色調を持っています。また、経年により釉薬の表面に貫入(ひび模様)が生じることがあり、これが古色として評価されることもあります。
李朝青磁は、その製作年代によって評価が大きく異なります。15世紀の初期李朝青磁は、宋の影響を強く受けた作品が多く、高額取引される傾向にあります。16世紀以降になると、李朝独自の色調と造形が確立され、さらに洗練された作風が生まれました。特に初期の象嵌青磁は非常に希少であり、数百万円から数千万円の価格がつくこともあります。
李朝青磁の真贋判定は、釉薬の色調、底部の高台の形状、貫入のパターン、象嵌の仕上がりなどが重要なポイントとなります。また、底部に作家銘や窯印が入ることは稀であり、無銘であっても形状や釉薬の質感によって時代や窯の特定が可能です。
陶磁器の保存状態は市場価値に直結します。李朝青磁の小壺においても、ひび割れや欠け、釉薬の剥がれが見られないものが高く評価されます。特に象嵌技法の作品では、象嵌部分の剥落がないものが最上位の評価を受けます。逆に、貫入(ひび割れ)が美しく残っているものは、「古色」として評価されることもあります。
現代においても、李朝青磁は日本国内外で高く評価されています。特に、李朝青磁のシンプルで洗練されたデザインは、現代のインテリアにも調和しやすく、茶道具や花器として使用されることもあります。さらに、韓国の文化財としての価値が再評価されていることから、韓国内外のコレクター市場でも注目を集めています。
一方で、現代作家による復刻作品も多く流通しており、その中でも伝統技法を忠実に再現した作品は美術品としての価値が高まっています。
李朝青磁小壺は、朝鮮半島の伝統陶磁器としての歴史的価値と美術的価値を併せ持つ逸品です。製作年代や象嵌技法、保存状態が市場価値を大きく左右し、特に15世紀から16世紀にかけての初期李朝青磁は、骨董市場でも極めて高額で取引されています。現代においても、そのシンプルで洗練された造形美が評価され続けており、コレクターや茶人、芸術家の間で注目される存在です。
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