刀装具　目貫 買取実績

1. 目貫とは

（1）目貫の定義

目貫（めぬき）は、日本刀の柄（つか）に装飾として埋め込まれる金具であり、武士の格式や個性を示す重要な要素です。本来は柄巻きを固定するための実用品でしたが、次第に装飾性が重視されるようになりました。

（2）目貫の歴史

• 平安時代（8世紀～12世紀） - 実用品として使用されるが、装飾は控えめ。


• 鎌倉時代（12世紀～14世紀） - 武士の武具として重要視され、装飾性が増す。


• 江戸時代（17世紀～19世紀） - 平和な時代となり、目貫の装飾技術が発展し、金工細工の名品が生まれる。

2. 目貫の特徴

（1）素材の種類

• 鉄製 - 実用性が高く、戦国時代に多く使用された。


• 真鍮・銅製 - 江戸時代以降に流行し、細かい装飾が可能。


• 金銀象嵌（ぞうがん） - 富裕層向けの豪華な装飾が施されたもの。

（2）意匠と装飾技法

目貫には、龍、虎、武具、家紋、花鳥風月などの意匠が施され、彫金技術を駆使した精巧な装飾が特徴です。

3. 目貫の製作技法

（1）彫金技法

鍛鉄や銅を基材とし、金銀象嵌や透かし彫り、打ち出し技法が施される。名工による精密な装飾は非常に高い価値を持つ。

（2）仕上げと装飾

目貫の表面には、漆仕上げや金箔が施され、武士の格式や趣向を反映するものとなっている。

4. 骨董市場での価値

（1）製作年代による評価

戦国時代の実用品よりも、江戸時代の装飾性の高い目貫が骨董市場では特に価値が高い。

（2）作家の銘

後藤家や奈良派などの名工による作品は、特に高額で取引される。

（3）保存状態

錆びや摩耗が少なく、彫金や象嵌がしっかりと残っているものが市場価値を高める。共箱や証明書が付属しているとさらに評価が高い。

5. 現代における評価

（1）文化財としての需要

多くの目貫が重要文化財や美術工芸品として認定されており、博物館や個人コレクションとして保存されている。

（2）美術品・コレクター需要

日本国内外で目貫は人気があり、特に細工が施されたものはコレクターの間で高く評価されている。