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象嵌(ぞうがん)とは、異なる金属や貴石を基盤の金属に埋め込む技法であり、七宝(しっぽう)はガラス質の釉薬を焼き付けて装飾する技法です。象嵌七宝花瓶は、この二つの技法を融合させた華麗な装飾品であり、江戸時代から明治期にかけて盛んに製作されました。
象嵌七宝花瓶は、装飾性が高く、美術品として観賞用に作られたものが多いです。その豪華な装飾は、輸出用としても人気が高く、日本国内外の骨董市場で高く評価されています。
象嵌には金・銀・銅が用いられ、七宝部分にはガラス質の釉薬が使用されます。これらの技法が融合することで、立体感と色彩美が際立つ工芸品となります。
象嵌技法では、まず金属の地金を彫り込み、その溝に異素材を嵌め込んで磨き上げます。これにより、模様が浮き彫りのように見える効果が得られます。
七宝焼では、釉薬を塗布して高温で焼成する工程を繰り返し、鮮やかな色彩と光沢を生み出します。色調のコントラストが美しく、花瓶の全面を華やかに彩ります。
明治時代から大正期にかけての象嵌七宝花瓶は特に評価が高く、輸出用として制作された精巧な作品は希少価値が高まっています。
有名な工房や作家による作品には銘が刻まれていることが多く、特に京都や名古屋の七宝工房によるものは高額で取引される傾向にあります。
七宝部分の割れや剥がれが少なく、象嵌の浮き上がりがないものが高評価されます。経年による色褪せや変色が少ない作品も市場価値が高まります。
象嵌七宝花瓶は、日本の伝統工芸の粋を集めた美術品として、美術館や博物館にも収蔵されています。文化財指定を受けたものもあり、その美術的価値が再評価されています。
国内外のコレクター市場では、保存状態の良い象嵌七宝花瓶が高額で取引されることが多く、特に明治期の輸出用作品は希少価値が高まっています。
象嵌七宝花瓶は、日本の象嵌技法と七宝焼技術の融合による工芸品であり、その芸術性と装飾性の高さから骨董市場での価値が高い。制作年代や作家の銘、保存状態により価格が大きく変動し、今後も美術品としての評価が高まることが期待されます。
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