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香炉は、古代中国において宗教儀式や祭祀の際に使用された道具であり、仏教の伝来とともに日本にも広まりました。古銅香炉とは、古代中国や日本の青銅製の香炉を指し、宗教的な儀式や日常の空間浄化のために用いられました。
象をモチーフとした香炉は、仏教の守護獣としての象を象徴しており、台座や蓋部分に象の彫刻が施されることが多いです。また、塔香炉は仏塔を模した形状で、蓋部分が塔のような形状をしており、内部に香を焚く構造になっています。
古銅の象・塔香炉は、仏教寺院での儀式用として用いられたほか、室内装飾としても重宝されました。香を焚くことで空間を清める役割を果たすと同時に、その重厚な質感と彫刻の精巧さが観賞価値を高めています。
古銅香炉の製作には、高度な鋳造技術が用いられました。銅に錫や鉛を混ぜた合金が使用され、鋳型に流し込んで成形された金工 で、細部の彫刻には手彫りの技術が施されます。
香炉の表面には金銀象嵌(ぞうがん)や漆の装飾が施されることがあり、華やかさと荘厳さを兼ね備えた仕上がりになります。緑青が発生した古銅は、時代を経た独特の風合いを呈します。
中国の唐代から明代にかけての古銅香炉は特に価値が高く、保存状態が良好なものは高額で取引されます。江戸時代や明治期の日本製香炉も、市場価値が高まっています。
著名な工房や仏具師による作品には銘が入っていることがあり、これが残っている場合、その作品の出自を証明する重要な手がかりとなります。
古銅製品は経年劣化しやすく、緑青が発生しているものが多いですが、逆にその緑青が評価のポイントになることもあります。割れや欠損がないもの、彫刻が鮮明に残っているものが高評価されます。
古銅の香炉は、日本や中国の伝統的な仏教美術の一部として美術館や博物館にも収蔵されることが多く、文化財指定を受けるものも存在します。
国内外のコレクターの間では、古銅の象・塔香炉が高額で取引されることが多く、特に唐代や宋代の作品は希少価値が高まっています。
古銅 象・塔香炉は、仏教美術としての歴史的価値と装飾工芸品としての美術的価値を兼ね備えた骨董品です。制作年代や保存状態、作家の銘によって市場価値が大きく変動し、今後もその価値が再評価されることが期待されます。
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